「鎌倉殿の13人」鬱回ふたたび…大姫そして蒲殿まで。第24回放送「変わらぬ人」振り返り:4ページ目
三浦義村のこと
範頼や義実の追放を見て鎌倉政界に嫌気がさしたのか、本気かどうか隠居をほのめかし始めた三浦義村(演:山本耕史)。
長女の初(はつ)を成長著しい金剛、改め北条頼時(演:坂口健太郎)に嫁がせたいらしく、しきりに勧めてきます。
彼女は北条泰時(金剛)の前妻・矢部禅尼(やべのぜんに)になるのでしょうか。
「もう少しつき合え」義時に引き留められる義村は、その後数十年にわたって、それこそ義時の死後まで「つき合わされる」のでした。
「お前はいつも俺の一歩先を行っている」そう義時が感心した義村。常に変わり続けたからこそ、永く活躍を続けられたのでしょうか。
『吾妻鏡』では隠居したらしい言動が見当たらないため、劇中での発言はただ言って見ただけと思われます。
都の人々
東大寺の再建に莫大な財政援助を行ったため、その落慶供養で上洛した頼朝。
公卿たちにも入内の便宜を図ってもらうべくこれまた莫大な心づけをしましたが、土御門通親(演:関智一)は受け取るモノだけ受け取って知らん顔。
また政子(演:小池栄子)も大姫を連れて丹後局に面会したところ、これまた強烈な先例を喰らって引き上げてきます。
しかし丹後局は厳しいようでいて、実に親切でしたね。これが現実であれば、彼女は絶対にあんな助言はしてあげません。
そのまま笑顔で送り出し、みんなの前で大恥をかかせて再起不能に追い込んでやったでしょう。
大姫にとって、義高の仇として嫌っていながら無意識下では「絶対的な存在」であった頼朝。その武力や財力をもってしても自分を守ってくれることが出来ない世界があることを知って、さぞやショックを受けたはずです。
逆に言えば、この段階で逃げ帰ったからこの程度のダメージで済んだとも言えます。それで丹後局が優しく描かれていると感じました。
変わり続けるどころか、元が何だったのかさえ分からなそうな都人たち。頼朝一家にとって、伏魔殿の封印を解きかけてしまった思いだったのではないでしょうか。