可能性は十分ありえた?後白河法皇が源頼朝に発した平家討伐の密旨【鎌倉殿の13人】:3ページ目
終わりに
しかし、史料に記述のないところでいきなり「法皇様の密旨が……」と言っても、ちょっとご都合主義すぎる気がしないでもありません(逆にこういう部分は、予備知識のない方が楽しめるかも)。
そんな視聴者たちの指摘を受けたのかどうか、大河ドラマ館の映像で時代考証を担当する坂井孝一(さかい こういち)氏のコメントを拝聴しました。
ちょっとお茶を濁した言い回しではあったものの、頼朝に対して後白河法皇が密旨を発した可能性は十分にあり得るとのこと。
まぁ、史料がない部分については仮説や創作でつながざるを得ないドラマの事情があり、密旨が発せられたかも知れない可能性も含めて検証するのも歴史学者のとるべき態度と言えます。
坂井氏の曰く「最新の学説に基づいている(大意)」とのこと。今後私たちもそうした資料にふれて学び、歴史の知識をアップグレードしていきたいものです。
※参考文献:
- 『NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人 前編』NHK出版、2022年1月