尊王攘夷運動に大きな影響を与え徳川斉昭の右腕として活躍した「藤田東湖」とは?
江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜。彼の父である徳川斉昭(とくがわなりあき)は、パンチの効いたエピソードでも知られる人物です。
そんな徳川斉昭の腹心に、これまたやや過激な人物がいました。それが、今回ご紹介する藤田東湖(ふじたとうこ)です。
藤田東湖とは?
藤田東湖(ふじたとうこ)は、江戸時代末期に水戸藩で活躍した武士であり、学者です。
同じく水戸藩家老の戸田忠太夫(とだ ちゅうだゆう)と双璧をなし、藤田と戸田、いずれも“田”の字を持つことから、“水戸の両田”と呼ばれました。
学者としては、水戸学の大家として有名ですが、特に彼は本居宣長の国学を取り入れ、強く尊王を主張。吉田松陰などで知られる尊王攘夷派の思想の基盤をつくりました。
藤田東湖の影響はあの有名人にも
藤田東湖は、徳川斉昭の右腕として大活躍します。
藤田の思想に影響された斉昭は、急進的に藩政改革を進めます。貧民救済、質素倹約、藩校である「弘道館」の設立、学問新興、廃寺などを次々と実行していきました。
「弘道館」の設立においては、「弘道館記」というもので教育理念が示されています。こちらは斉昭の署名になっていますが、実際に起草したのは藤田でした。
さらに藤田は、斉昭の命令でその解説書として『弘道館記述義』を記しています。『弘道館記述義』も、尊王攘夷運動に大きな影響を与えました。
さらに、吉田松陰、西郷隆盛、木戸孝允、佐久間象山、横井小楠、吉田東洋、橋本左内、梁川星巌、山内容堂、松平春嶽などに影響を与えたと言われています。
幕末期に大きく活躍した人物ばかりであることがわかるかと思います。
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