天暦と書いて、何と読みますか?
素直に読めば「てんれき」ですが、歴史好きな方なら「てんりゃく」という読みを知っているかも知れません。比叡山の延暦寺(えんりゃくじ)なども有名ですね。
「お前それ、『てんれき』じゃなくて『てんりゃく』って読むんだよ!」
だがちょっと待って欲しい……実は天暦と書いて「てんれき」と読むパターンもあるんです。
そこで今回は、同じ天暦と書いた「てんりゃく」と「てんれき」の違いを紹介したいと思います。
天暦(てんりゃく)
天暦と書いて「てんりゃく」と読む……おなじみ日本の元号で、西暦947~957年に相当。平安時代中期ですね。
時の天皇陛下は第62代・村上天皇(むらかみてんのう)。天慶10年(947年)4月22日に改元され、天暦11年(957年)10月27日に天徳へと改元されました。
天暦というネーミングは『論語』にある「天之暦数在爾躬(てんのれきすう、なんじがみにあり)」に由来。
これは「天命はあなたの身に宿っている=あなたが天下を治めるべきだ」という意味で、古代中国の聖君・堯(ぎょう)が天下を譲るため舜(しゅん)にかけた言葉です。
天下は徳ある者が治めるべし……相次ぐ戦乱によって逼迫していた財政再建に努める一方、平安文化を花開かせて後世「天暦の治」と賞賛された村上天皇に相応しい元号と言えるでしょう。
(もちろん、まったく問題がなかった訳ではありませんが……)