こんな首相はもう現れまい…「ダルマさん」こと高橋是清の数奇かつ波乱に富みすぎる生涯
経歴は「奴隷」「持ち逃げ・詐欺被害者」!?
世界の歴史を紐解いてみても、「奴隷の身分からその国の最高権力者へ」成り上がった人というのは、たぶんそうはいないでしょう。
実は、そんな人が日本にいたのです。戦前の人ですが、あの高橋是清(たかはし・これきよ)は、アメリカでの奴隷生活から日本国首相に駆け上がった立志伝中の人物なのです。彼の人生を振り返ってみましょう。
前半生のエピソードで最も強烈なのが、アメリカ留学中に「奴隷」となったことです。
高橋は13歳で留学したのですが、留学先での待遇が次第に悪くなっていったため、新たな家主のところに住むための契約書にサインしたのですが、それが実は「奴隷契約」だったのです。
契約書の内容を理解することができなかったため、高橋は窮地に陥ります。しかし、幸いにして彼の里親にあたる高橋家が、奴隷契約の破棄のために力を尽くしてくれたのでした。
ただ彼の人生も浮き沈みがのスケールが激しく、その後もいろいろなことがありました。例えば芸者遊びが過ぎて大学を辞職したこともありますし、詐欺被害に遭ったこともあります。
その詐欺の内容というのが、またスケールが大きいのです。畜産事業を始めてみたら友人に金を持ち逃げされたとか、銀相場詐欺に引っかかって無一文になったとか、ペルーで銀山経営詐欺に遭って無職の無一文になった、という具合です。