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生兵法は怪我のもと…武士道バイブル『葉隠』が説く奉公の心得を紹介

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目をふさいで、とは別に心眼で見るなどではなく、こういう勝手な判断をすることなく主君の命令を忠実に遂行することを言い、一歩でも前へ踏み出して敵を倒す心がけこそ最優先であることを主張しています。

(言うまでもなく、本当に目をつぶって敵に突っ込むようなことをしてはいけません)

主君の命令を一切の迷いなく遂行できる段階に達してから、初めて目の前の敵を倒し、任務を遂行する武芸を身に着け、更には全体を見渡せる軍略を備えるべきです。

ただし、軍略を備えても然るべき指揮権を託されるまでは差し出がましいことはせず、全体の中で自分がどのように役立つことができるか、裁量内で行動すべきでしょう。

まとめ

言うまでもなく、奉公とはあくまで主君のため、御家のためを第一にするものであり、自分の知識やスキルをひけらかし、評価を得たくてするものではありません。

自分は組織の中でどの辺りに位置していて、何を身に着ければ全体の役に立てるのか、その意識なくただ学んでも、生兵法が自身のみならず組織全体の怪我につながりかねないでしょう。

現代社会においても通じる奉公の精神を、私たちも見習い、正しく兵法を得たいものです。

※参考文献:

  • 古川哲史ら校訂『葉隠 下』岩波文庫、2011年12月
 

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