引き裂かれた姉弟愛…。飛鳥時代に生きた姉・大伯皇女と弟・大津皇子の悲劇 【その3】:4ページ目
弟・大津皇子の菩提を弔った姉・大伯皇女の生涯
大伯皇女のその後の消息ははっきりしていません。『日本書紀』によると、702年に41歳で死去しています。
おそらくは、生涯独身を貫き、弟の菩提を弔う人生であったのでしょう。大津皇子の鎮魂寺・薬師寺の『薬師寺縁起』によると、694年に大伯が伊賀国名張郡に天武天皇供養のため「昌福寺」を建立したされます。
しかし、天武供養とは表向きで、実は大津の冥福を祈るために、持統天皇の援助のもと建てられたとの説があるのです。
それが事実であるなら、持統の大津への鎮魂の証ともとれて、少し救われた気持ちになるのは筆者だけでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【完】