- No.171猫のノミ取りついでに売春?少年との性愛「陰間茶屋」には女性客も!江戸時代の買春システム【後編】
- No.170好きな男に大金を貢ぐ!江戸時代の買春システム「役者買い」に大奥の女中も病みつきに【前編】
- No.169江戸時代のレンタル屋はなんと「ふんどし」も貸していた!質屋では汚れたふんどしで金借りOK
なんと毒見は3回も!?一生ずっと”冷や飯”を食わされ続けた江戸幕府の将軍たち【下】:2ページ目
2ページ目: 1 2
どっちが主君か判らない?自由がなかった将軍の生活
好き嫌いは厳禁で、食べ残しがあろうものなら、すぐに医者が飛んできて診察し、体調に問題なしとなれば「お口に合わない料理を作った」として料理役人が叱責を喰らう……将軍もそれを知っているので、どんなに嫌いなものでも頑張って食べたようです。
あと、食べこぼしがあった場合は必ず将軍自身が拾って(よほどの状態でなければ)食べたそうで、これは「食べ物と、それを作った人に対する感謝の気持ち」を忘れぬようにするためで、これは将軍に限らずどこのお殿様も同じでした。
ちなみに、朝食時は食事と同時進行で髪を結い直し、顔や生え際を剃ってもらうため、常に剃刀が自分の顔に触れた状態で食べねばならず、うっかりクシャミも出来ません。
理髪作業に当たる者は常に自分の表情を見ている訳で、つい顔を顰(しか)めようものなら、緊張のあまり手許を狂わせかねないため、いかなる時も平常心で食事をしなければならない……ここまで気を遣わされると、どっちが主君か分かりません。
先ほど紹介した通り、政務が多忙であれば昼食はお預けを喰らい、政務がまだ残っていれば夕食後だって残業します。あるいは午前中の座学に学者から宿題を出されていれば、それもやらねばならず、寝る直前まで自由な時間など皆無だったようです。
終わりに
作るのも大変、提供するのも大変、食べるのも大変……とかく大変づくしだった徳川将軍のお食事に比べると、私たち現代庶民はずいぶんと気ままに、美味しくご飯が食べられているものだと実感します。
食事と同時進行で顔剃りはしたくありませんが、一粒の米や一杯の水に感謝を忘れぬ姿勢を見習いながら、これからも温かいご飯を食べたいものです。
※参考文献:
杉浦日向子『一日江戸人』新潮文庫
ページ: 1 2
バックナンバー
- No.171猫のノミ取りついでに売春?少年との性愛「陰間茶屋」には女性客も!江戸時代の買春システム【後編】
- No.170好きな男に大金を貢ぐ!江戸時代の買春システム「役者買い」に大奥の女中も病みつきに【前編】
- No.169江戸時代のレンタル屋はなんと「ふんどし」も貸していた!質屋では汚れたふんどしで金借りOK
- No.168「江戸時代は平和」だって?そんなの大間違い!現代に通じる悪党らの卑劣な詐欺事件【後編】
- No.167「江戸時代は平和」だって?そんなの大間違い!現代に通じる悪党らの卑劣な詐欺事件【前編】