大正・昭和から現代に受け継がれた銘仙の華麗な世界を紹介する「これからメイセン −銘仙の源泉と変遷−」

Japaaan編集部

2020年3月13日追記:新型コロナウィルス感染拡大の影響により、本展覧会の中止が決定しました。

大正から昭和初期にかけて、女性の日常着として一世を風靡した絹織物「銘仙(めいせん)」。銘仙は日本人の洋装化などにより時代とともにその姿を消していきますが、近年その中心的産地であった伊勢崎では当時の技術とスピリットを、現代によみがえらせる取り組みが行われています。

そんな取り組みや、大正・昭和時代当時の銘仙コレクショを紹介する展覧会「これからメイセン −銘仙の源泉と変遷−」が開催されます。

大正・昭和のファストファッション、銘仙の魅力

昭和初期、銀座の街を行き交う女性の二人にひとりは銘仙を身につけていたというほど、空前のブームを引き起こしたという銘仙着物。本展では、当時の中心的産地であった伊勢崎銘仙の20点を超えるコレクションが一堂に介します。

日本独自の美意識がアール・デコなどの欧米の文化の影響を受けながら独自の世界観に発展した銘仙は、大胆に時代の息吹を取り入れた、いわば当時のファストファッションともいえる存在。大正期までに多くみられた縞柄や矢絣などから、次第に昭和にかけて花鳥風月や幾何学、時に建築や飛行機など、多彩で絵画的な図柄が登場していく銘仙には、新しい時代の訪れを謳歌する当時の女性たちの姿を垣間見ることができます。

最新テクノロジーでよみがえるサスティナブルなメイセン

一方このような銘仙の流行表現を影で支えていたのが、当時北関東に存在した各産地での職人たちによる技術的な挑戦です。

今回、東京造形大学と下城株式会社による産学連携プロジェクトでは、この当時の銘仙の素晴らしい技術を未来に向けてどう繋げていくかをテーマにテキスタイルを開発。

その結果誕生した「これからメイセン」では、ほぐし織りという当時の技法をベースにしながら、現代のテクノロジーを活かして熱転写により経糸に染料を定着させています。

通常、染色には大量の水を必要としますが、熱転写では水を使わずに染を施すことが可能で、サスティナブルなこれからの時代のものづくりとしても注目に値します。

本展ではこうして誕生した「これからメイセン」を、動きのあるテキスタイルのインスタレーションとして展示をします。大正から昭和初期にかけて花開いた銘仙の源泉と、そのDNAを受け継ぎながら時代にあわせて進化したメイセンの変遷を、その華やかな世界観ととも楽しめそうですね。

2020年3月13日追記:新型コロナウィルス感染拡大の影響により、本展覧会の中止が決定しました。

展覧会「これからメイセン −銘仙の源泉と変遷-」は3⽉24⽇(⽕)〜4⽉5⽇(日)の期間、 東京都・南⻘⼭のスパイラルガーデンで開催されます。入場は無料。

これからメイセン―銘仙の源泉と変遷― – Spiral

 
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