絶体絶命!賊徒に襲撃された清少納言が裸体をさらけ出し…どうなった?【前編】:2ページ目
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清少納言にも兇刃が迫る……!
さぁ、大変なことになりました。
向こうの寝室から兄の断末魔を聞いたのは、折悪しく泊まりに来ていた清少納言。この頃は既にアラフィフ(50歳前後)で、出家して尼僧となっていました。
若い時は相応の美しさと才能を鼻にかけて肩で風を切っていた彼女も、すっかり老いさらばえて恋人からも捨てられてしまい、人々から喜捨(きしゃ。仏道において功徳とされる寄付)を受けて糊口をしのぐ、実質的な物乞い状態に落ちぶれていたのでした。
(※泊まりに来ていたのも、仕送りを無心するためだったのかも知れません)
「……まだ残っている者がいるかも知れない、探せ!」
兄を殺害した賊徒たちが、屋敷じゅうをドカドカと蹂躙し、その足音がこちらにも迫っています。
逃げ出すこともままならない清少納言の運命は、一体どうなってしまうのでしょうか。
※参考文献:
佐竹昭広ほか編『新日本古典文学大系41 古事談 続古事談』岩波書店、2005年11月18日
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