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「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉知ってる?鈴木春信の浮世絵に見る江戸時代の梅の花

「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉知ってる?鈴木春信の浮世絵に見る江戸時代の梅の花

『桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿』という言葉をご存知ですか?

これは樹木の剪定についての言葉で“桜はいたずらに枝を切ると断面から腐食菌が入って痛みやすく、梅は枝を切らないと枝数が増えずに翌年花が咲かない”という意味です。

しかし筆者がこの言葉を聞いて、頭に浮かんだのはこの絵でした。

梅の枝を手折ろうとしているのは、多分裕福な家の娘でしょう。振り袖の着物の模様は雪を被った松と竹。梅を手に取れば“松竹梅”です。帯の竹の柄の縦の線と、壁の横線のもようが対照的でこの絵を引き締めています。

橘の吉祥文様の帯からも娘の両親の気持ちが分かります。“橘”はみかん科みかん属の日本固有の柑橘であり、また常緑樹であることから“永遠”や実をつけることから“子宝に恵まれる”などの意味があるからです。

でもこの行為には少し驚かされませんか?梅を手折ろうとしている娘は、多分娘より年上の女性の背中の帯のあたり、もしくは肩に足をかけて梅を取ろうとしているのです。下の女性は多分振袖を着ている娘の世話係の女性かと思うのですが。

 

嫌々娘を担いでいるのかと思って表情を見ると、どちらかというと面白がっているような感じに見えます。

 

 

女性の上に乗っている女性は、びくびくする様子もなく冷静に辺りをうかがって、梅を手折ろうとしています。脱ぎ散らかした草履もひっくり返って相当なお転婆娘です。

何もそこまでしなくてもと思いますが、江戸時代の花見は“梅に始まり菊に終わる”といわれるほど、現在の“桜の花見”と同じくらい、“梅見”も人々にとっては春の到来同様に喜ばれたのです。

2ページ目 夜の梅

 

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