やっぱり浮世絵師・鈴木春信が好き!代表作「風俗四季哥仙」に観る春信の魅力 その2:2ページ目
さて、この歌からするとこの絵に描かれている少女達は、この竹藪のある屋敷の娘たち、良家のお嬢さんでしょうか。
この二人の少女たちの関係性を考えると、右側の座って草花を摘んでいる女性はおめでたい松の模様の振袖を着ています。
この頃、振袖の着物を着ることができるのは“こども”と呼ばれるような少女まででした。しかも町人は着物は高価なものであったため、古着を着るのが普通のことでした。ということは相当なお金持ちの十四、五の少女だと思われます。
左の少女を見ると振袖ではありません。この頃、結婚しているの有無に関わらず振袖は19歳までという説もあり、この少女は19を過ぎた年頃だと考える事もできるのですが、私が気になるのは、おはしょりの下に結ばれている“抱帯”の存在です。