こけしは「子消し」という恐ろしい説は間違いだった…!? なぜ流布したのか、俗説を検証
最近、親から伝えられた知識がことごとく間違っていた可能性が出てきて、自分の常識を疑っている筆者です。
たとえば、「つまようじのくびれは折って箸置きのようにするためのようじ置き」とか、「銀ブラの『ブラ』は、銀座でブラジルコーヒーのブラ」とか。これで「えっ」と思った方は同世代の可能性があるかもしれませんね。
これらはある時期に流布されたとはいえ、絶対的根拠のないものばかり。※ただし銀ブラの説は可能性が低いだけで、完全に否定されたものではありません。
そのなかで、「こけし」は『子消し』の意味で、水子供養のために作られたもの」という説があります。
私は子供の時にそれを聞いてから、土産物屋でこけしが並んでいるのをみると、怖くなってしまいました。で、実はその説はなんと誤りだと最近知りました。私の恐怖は一体何だったのか…。
「子消し」説はどこから生まれたのか
・「堕胎した子供の供養」
・「亡くなってしまった子供の代わり」
・「口減らしした子供の数」
などなど、こけしには怖い俗説がありますね。この説の由来は、松永伍一氏が記した1971年に発刊された「こけし幻想行」というエッセイ集から始まったと言われています。そこでは「赤ちゃん」の意味をもつ「きぼこ」は間引きした子供のことなのではないかと書いています。
「子消し」の罪つぐないのために、幻のわが児を「木ぼこ」すなわちこけしに形どって、棚にかざったのではあるまいか。(松永伍一こけし幻想行第三巻より引用)
これがテレビにも取り上げられるなどして流布されて、定説のようになってしまったとか。
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