人気の男の着物ブランド「和次元 滴や」から、2022年 SPRING COLLECTIONが発表されました。今回のコレクションでは、「手描き」捺染を施したアイテム中心のラインナップとなっています。

この手法は完成品に一点ずつ手で描くことで、ポケットなどの段差や袴のひだに渡って柄を描けるそうで、通常、版を使ったり、機械でプリントすると広範囲のものや段差部分にはうまく柄が乗らないため、このような表現が難しいのだそうです。

個性的な雰囲気を醸し出した深みのあるコレクションを見ていきましょう。

Code : FSPC 廿弐丿零壱

海底深くまで差し込む光景を、広々とした身頃に洋々と描いたマント。微かに透ける薄手の素材は 麻混のブリーチアウト・デニム。海底の岩場に群生する珊瑚、そこに遊ぶ小魚、差し込む陽光…と冒険心に駆られる図柄が、ブリーチアウト・デニムの少し色落ち感のあるインディゴブルーに漂い、静寂さの中にも爽やかさを感じる構成。少し透け感のあるナチュラルな風合いも、肌触りが良く軽量で、図柄の印象に よく馴染んでいる

Code : FSPC 廿弐丿零弐

旧字体の漢数字の列を裾模様にしたベージュの縞袴と、露草色のコットンバーズアイで仕立てた小袖との 爽やかなコーディネート。ベージュにブルーやブラウンのストライプが品の良い袴の裾部分に、旧字体・漢数字の並びを、手描き捺染している。 ヒダを跨いで染められた漢数字は、歩いてヒダが開くと 文字が分割され、静止してヒダがたたまれると 文字が完成する。こういう楽しさは、手描き捺染ならではの仕掛けで、機械装置を使ったプリントでは実現できない。 

Code : FSPC 廿弐丿零肆

左の腰辺りから左右に大きく伸びた枝の絵柄を描いた縞の小袖と、木肌のようなジャカード紋様の袴との 白樺コーディネート。枝の柄は背面にも広がっている。袴式和服で上半身を担う小袖は、機能的で動きやすい・多様な着こなし・着付けが簡単・スタイリッシュな着姿と、４つの特徴を持つ特許製品。隠しポケットに手を突っ込んでも、様になるようデザインしてある。

2ページ目 月と霞の柄を背負った黒い透かしマント