あなたの町は選ばれた?平成28年度「日本遺産」に認定された19件のストーリーが発表
2016年4月25日に、平成28年度の「日本遺産(Japan Heritage)」19件が認定。昨年、第1回目の日本遺産では18件が認定され、今回は67件の申請があり、審査の結果、19件が選ばれました。
平成28年度に新たに追加された日本遺産のタイトルとストーリーをまとめてご紹介します。※太字は代表自治体
政宗が育んだ“伊達”な文化
宮城県(仙台市,塩竈市,多賀城市,松島町)
広く知られる戦国大名であり、時代を代表する文化人でもあった伊達政宗が作り上げた自らの“都”仙台。伝統的な文化を土台に斬新さ、国際性を持った“伊達な”文化へと発展していきました。
自然と信仰が息づく『生まれかわりの旅』~樹齢300 年を超える杉並木につつまれた2,446 段の石段から始まる出羽三山~
山形県(鶴岡市,西川町,庄内町)
山形県の中央に位置する出羽三山をめぐることは、江戸時代に庶民の間で「生まれ変わりの旅」と広がりました。日本古来の、山の自然と親交の結びつきを今に伝える、出羽三山の雄大な自然は、訪れるものの心身を癒し明日への新たな活力を与えます。
会津の三十三観音めぐり~巡礼を通して観た往時の会津の文化~
会津若松市・喜多方市・南会津町・下郷町・檜枝岐村・只見町・北塩原村・西会津町・磐梯町・猪苗代町・会津坂下町・湯川村・柳津町・会津美里町・三島町・金山町・昭和村(福島県)
磐梯山信仰を取り込み東北地方で最も早く仏教文化が花開いた会津は,今も平安初期から中世,近世の仏像や寺院が多く残り「仏都会津」とよばれています。中でも三十三観音巡りは,古来のおおらかな信仰の姿を今に残し,広く会津の人々に親しまれています
未来を拓いた「一本の水路」-大久保利通“最期の夢”と開拓者の軌跡 郡山・猪苗代-
郡山市・猪苗代町(福島県)
明治維新後,武士の救済と,新産業による近代化を進めるため,安積地方の開拓に並々ならぬ想いを抱いていた大久保利通。夢半ばで倒れた彼の想いは,郡山から西の天空にある猪苗代湖より水を引く「安積開拓・安積疏水開さく事業」で実現しました。
「北総四都市江戸紀行・江戸を感じる北総の町並み」-佐倉・成田・佐原・銚子:百万都 市江戸を支えた江戸近郊の四つの代表的町並み群-≫
千葉県(佐倉市,成田市,香取市,銚子市)
百万都市江戸に隣接した国葬地域は、関東平野と豊かな漁場の太平洋を背景に、利根川東遷で発達した水運と江戸へ続く街道を利用して、江戸に投獄の物産を供給して江戸文化を支えました。
江戸庶民の信仰と行楽の地~巨大な木太刀を担いで「大山詣り」~
伊勢原市(神奈川県)
大山詣りは,鳶などの職人たちが巨大な木太刀を江戸から担いで運び,滝で身を清めてから奉納と山頂を目指すといった,他に例をみない庶民参拝。江戸の人口が100万人の頃、年間20万人もの参拝者が訪れたそうです。
「いざ、鎌倉」 ~ 歴史と文化が描くモザイク画のまちへ ~
鎌倉市(神奈川県)
源頼朝によって開府されたのち、ここに活きた武士たちの歴史と哀愁を感じられる古都鎌倉は,近世には信仰と遊山の対象として脚光を浴び,近代には多くの別荘が建てられましたが,歴史的遺産と自然とが調和したまちの姿は守り伝えられてきました。
「なんだ、コレは!」 信濃川流域の火焔型土器と雪国の文化
三条市・新潟市・長岡市・十日町市・津南町(新潟県)
世界有数の雪国から5000年前に誕生した「火焔型土器」。縄文土器を代表するもので、これを見た巨匠、岡本太郎は「なんだ、コレは!」と叫んだそうです。
『珠玉と歩む物語』小松 ~時の流れの中で磨き上げた石の文化~
小松市(石川県)
小松の人々は、弥生時代の碧玉の玉つくりを始まりとして、2300年もの長きに渡り、金や胴の鉱石、宝石軍などの石の資源を見出し、高度な加工技術を磨き上げ、ヒト・モノ・技術が交流する豊かな石の文化を築きあげてきています。
木曽路はすべて山の中 ~ 山を守り 山に生きる ~
南木曽町・大桑村・上松町・木曽町・木祖村・王滝村・塩尻市(長野県)
豊富な森林資源を誇っていた木曾谷も、江戸時代初期には森林乱伐により森林資源の枯渇の危機に陥り、尾張藩は森林保護制作に乗り出し、木曾谷の人々は新たな地場産業にくらしの活路を見出しました。
飛騨匠の技・こころ ―木とともに、今に引き継ぐ1300年
高山市(岐阜県)
「飛騨工制度」は古代に木工技術者を都へ送ることで税に充てる全国唯一の制度で,飛騨の豊かな自然に育まれた「木を生かす」技術や感性と,実直な気質は古代から現代まで受け継がれ,高山の文化の基礎となっています。木とともに1300年を生きてきた、高山の歴史を体感する物語。
『古事記』の冒頭を飾る「国生みの島・淡路」 ~古代国家を支えた海人の営み~
淡路市・洲本市・南あわじ市(兵庫県)
天地創造の神話の中で、最初に誕生する特別な島が「淡路島」。瀬戸内最大の島は、古代国家形成期の中枢を支えた“海人(あま)”の歴史を今に伝える島です。
森に育まれ、森を育んだ人々の暮らしとこころ~美林連なる造林発祥の地“吉野”
吉野町・下市町・黒滝村・天川村・下北山村・上北山村・川上村・東吉野村(奈良県)
我が国の造林発祥の地である奈良県吉野地域には、500年にわたって培われた造林技術で育まれた日本一の人口の森と、野趣あふれる天然の森が広がります。ここに暮らす人々が育んできた色や暮らしの文化を今に伝えるストーリー。
鯨とともに生きる
和歌山県(新宮市,那智勝浦町,太地町,串本町)
日本人にとって信仰の対象となる特別な存在であった鯨。熊野灘沿岸地域では、江戸時代に熊野水軍の系譜の人々により確立された捕鯨技術によって、鯨に感謝しながらともに生きてきました。当時の面影が点在し、祭りや文化が今も受け継がれています。
地蔵信仰が育んだ日本最大の大山牛馬市
大山町・伯耆(ほうき)町・江府(こうふ)町・米子市(鳥取県)
平安時代以降、大山寺には牛馬のご加護を願う人々が集まりました。江戸時代には「大山牛馬市」が開かれ、大山道沿いには石畳道や宿場町、農村景観や、独特の食文化や行事などが現在も残っています。
出雲國たたら風土記 ~鉄づくり千年が生んだ物語~
雲南市・安来(やすぎ)市・奥出雲町(島根県)
日本古来の鉄づくり「たたら製鉄」で繁栄した出雲の地では,今日もなお世界で唯一たたら製鉄の炎が燃え続けています。今もこの地は,神代の時代から先人たちが刻んできた鉄づくり千年の物語が終わることなく紡がれています。
鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴~日本近代化の躍動を体感できるまち~
呉市(広島県)・横須賀市(神奈川県)・佐世保市(長崎県)・舞鶴市(京都府)
明治期の日本は,近代国家として西欧列強に渡り合うための海防力を備えることが急務でした。このため,国家プロジェクトにより天然の良港を四つ選び軍港を築きました。現役の施設も多く、往時の姿を残す旧軍港四市は、どこか懐かしくもたくましく、訪れる人々をひきつけます。
日本最大の海賊”の本拠地:芸予諸島-よみがえる村上海賊“Murakami KAIZOKU”の記憶-
今治市(愛媛県)・尾道市(広島県)
日本最大の海賊「村上海賊」。海賊といっても暴れん坊ではなく、掟に従って航海の安全を保障し、瀬戸内海の公益・流通の秩序を支える海上活動を生業としていました。本拠地の「芸予諸島」には、海賊たちの記憶が色濃く残っています。
日本磁器のふるさと 肥前 〜百花繚乱のやきもの散歩〜
佐賀県(唐津市,伊万里市,武雄市,嬉野市,有田町)・長崎県(佐世保市,平戸市,波佐見町)
焼き物に適した条件が揃う、自然豊かな北九州の地「肥前」で陶器生産の技を活かして誕生した日本磁器。今も肥前では、当時の技術を受け継ぎ、特色ある焼き物が生み出されています。
出典:平成28年度「日本遺産(Japan Heritage)」認定概要
報道発表:平成28年度「日本遺産(Japan Heritage)」の認定結果の発表について|文化庁