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上皇后陛下が育てられていた蚕は奈良時代から宮中で育てられた日本古来種!その名も「小石丸」

上皇后陛下が育てられていた蚕は奈良時代から宮中で育てられた日本古来種!その名も「小石丸」

養蚕の手順

宮中の養蚕は、皇后陛下が携わっている儀式の一つになりますので、そのスケジュールはきっちり決められています。

・2 – 3月頃に、養蚕所の主任と助手が準備を始める
・春に「御養蚕始の儀」(ごようさんはじめのぎ)にて掃き立てが行われる
・その1週間から10日後に「御給桑行事」(ごきゅうそうぎょうじ)が行われ、皇居内の桑園で栽培された桑を与える。それから10日後に2回目が行われる。
・蚕が成長すると「上蔟」(じょうぞく)が行われ、種類に適した蔟(まぶし)に移す
・1週間後、「初繭掻」(はつまゆかき)にて収繭が行われる。その後、繭を蚕糸科学研究所に移して生糸に仕上げる
・繭の出荷後、採種などの作業
・初夏、「御養蚕納の儀」(ごようさんおさめのぎ)が行われ終了

そもそも蚕は人が唯一家畜化した昆虫で、自然界には存在しない生き物。完全に野生への回帰能力を失ってしまった生物だと言われています。自然界に放したところで、すぐに捕食されてしまうし、自力で子孫を残すことができないとのこと。
これを聞くと本当に蚕が愛しくなってきました。皇室ではこれからも末永く小石丸を育てていって欲しいです。

最後に、美智子上皇后陛下がかつてお詠みになった御歌をご紹介しましょう。
・真夜(まよ)こめて 秋蚕(あきご)は繭をつくるらし ただかすかなる音のきこゆる(昭和41年)
・初繭を 掻きて手向けむ長き年 宮居(い)の蚕飼(こがい) 君は目守(まも)りし(平成8年)

参考サイト:宮内庁

 

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