お天道様は見てござる…伊勢商人の心意気を表わした「伊勢乞食(いせこじき)」とは?:2ページ目
伊勢商人の心意気
……とまぁ、これだけなら単なる悪口あるいは僻みで話も終わるのですが、この「伊勢乞食」という言葉には、また違った意味合いもあるようです。
言うまでもなく、伊勢国は神宮すなわちそこにお祀りされている日本の至高神である天照大神(あまてらすおおみかみ)のお膝元。伊勢に住まう人々は、少なからずそのことを誇りに思い、神様に恥じないよう心がけると聞き及びます。
普段は乞食のようににがめつい(と言われる)伊勢商人も、人の道に外れることは決してしない(そうです)。
「お天道様が見てござる」
たとえどんなに食い詰めようと、悪事に手を染めるくらいなら、いっそ乞食を選ぶのが、伊勢商人の心意気……むしろそんな事にならないよう、日ごろから商売に励んでいたのかも知れません。