姦通罪で訴えられやすいのは不美人?美しさと姦通の関係に垣間見える男の本音:2ページ目
露骨すぎる男の本音
実は夫が不倫した妻を訴えるにはまず離婚しなければならず、美人妻を失いたくない夫が不倫を容認=泣き寝入りすると、姦通罪は不成立となるのです。
その一方で、不美人なら別に離婚しても惜しくないので思う存分訴えられる……そんな露骨すぎる男の本音が、前掲書に記されています。
「……美人に於ても姦通は少ないのではないが、此場合には醜婦の場合と大に異って、其夫人たる人が其美人を失わんことを恐れて、妻の不貞を知りつつも之を訴えるようなことがない、然るにそれがもし醜婦の場合には、平常より疎んじているのであるから……直ちに訴えうる。」
※寺田精一『婦人と犯罪』第八章「容貌の美醜と犯罪」より。
同じ罪でも美しければ見逃されるなんて、いくらなんでもあんまりですが、そもそも妻のある男性が独身女性と不倫をしても罪に問われない、という刑法自体がそもそも理不尽な男女差別であり、戦後「姦通罪」は廃止されたのでした。