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日本最古の老婆心?天照大神が旅立つ孫に贈った三つの「御神勅」とは

日本最古の老婆心?天照大神が旅立つ孫に贈った三つの「御神勅」とは

斎庭稲穂の御神勅

最後に天照大神は、身に着けていた八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)を外し、一房の稲穂と共に邇邇芸命へ授けて言います。

【意訳】「高天原の『故郷の味』であるこの稲を大切に育て、あなたの愛する子孫たちに、いつでも、好きなだけ、お腹いっぱい食べさせてあげなさい

【原文】「以吾高天原所御齋庭之穗、亦當御於吾兒。」

これを「斎庭稲穂(ゆにわのいなほ)の御神勅」と言いますが、邇邇芸命が地上に降り立ったあと、大切に大切に育てた稲が、今も私たちの食卓を満たしています。

「日本人ならお米だよね」……よく聞く言葉ですが、そのルーツは神様が下さった一房の稲穂であることを、どうか覚えておいて欲しいと思います。

終わりに

「どうか、お健やかでありますように。どうか、いついつまでも、幸せでありますように」

かくして天照大神は邇邇芸命を送り出したのですが、地上に降り立った邇邇芸命の子孫が現代の皇室であり、日本人の約半分が皇室の末裔と言われています。

※ちなみにもう約半分は邇邇芸命につき従った天児屋命(あめのこやねのみこと)の末裔である藤原氏と言われています。

邇邇芸命が授けられた「三種の神器」は皇室に代々継承され(草薙剣は壇ノ浦の合戦で紛失。現在は分身)、一房の稲穂は今も豊かに実り続けています。

一杯のご飯はまさに天照大神の深い愛情であり、米の一粒々々に至るまで、彼女の「老婆心」に感謝したいものです。

 

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