日本最古の老婆心?天照大神が旅立つ孫に贈った三つの「御神勅」とは:3ページ目
宝鏡奉斎の御神勅
次に天照大神は、邇邇芸命に八咫鏡(やたのかがみ)を授けて言いました。
【意訳】「我が孫よ、この鏡を私と思ってお祀りし、折にふれて向き合いなさい。あなたの心を映し出し、求める答えを導いてくれるでしょう」
【原文】「吾兒、視此寶鏡、當猶視吾。可與同床共殿、以爲齋鏡。」
鏡は太古の昔から心を映し出す神具として尊重され、現代でも神社の御神体や依り代としてお祀りされているのは、こうした故事によります。
これを「宝鏡奉斎(ほうきょうほうさい)の御神勅」と言いますが、昔から女性が大切な人に鏡を贈るのは、その不思議な力に御加護を願ったからでしょう。