ペーターが弁太、クララが久良子!?大正時代の「アルプスの少女 ハイジ」和訳版の破壊力スゴい(笑):2ページ目
読んでみた
興味があったのでさらっと読んでみました。冒頭から難読漢字の瑞西(スイス)登場。しかし有名な地名以外は「フランクフールト」など、そのままの片仮名表記でした。
楓は伊達伯母さんに連れられ山へ登る途中、服を脱ぎ散らかしてしまいます。伯母さんは「楓や、何(ど)うしちまったのサ!」とべらんめえ口調で怒ります。そこで弁太にお駄賃をやるから服をとってこいと命令しますが、そのとき取り出したのは五銭。通貨もわかりやすく日本円ですね!
ちなみに楓は自分のことを「あたい」と言います。 あたいと呼ぶのは昭和の不良だけだと思っていました(笑)。
会話のなかでしか登場しませんが、楓のお父さんは「苫次さん」だそうです。なかなか珍しい名前だと思います。つい苫小牧(とまこまい)を連想してしまいますが、まあ関係ないでしょう。
食事シーン。チーズは「乾酪」と漢字表記。日本で漢字が充てられた名詞はとことん漢字にするんですね。
チーズと共に「そら、呑みな」とお爺さんに出されたどんぶり。口調からお酒が入っているような気分になってしまいますが、中は「乳」です。おそらく山羊のミルクだと思いますが、そこは説明がなくただの「乳」。
すっかりのどが渇いていたハイジはどんぶりに注がれた乳をぐんぐん飲み干し、満足そうに「ずいぶん旨いや!」と叫びます。
・・・と、このように、楓とお爺さんの生活はべらんめえ口調で楽しげに繰り広げられていくのでした。