お正月は福笑いじゃなく「判じ物」で初笑い!地名から動物名までまったり解いてみて:4ページ目
けだものはんじもの「けだものはんじもの」(歌川国盛)
お次はけだもの(獣)です。中には架空の動物もいますので、想像力を駆使して当ててみて。
答え
1 豚(濁点のついた「歩」の駒が田圃に立っているから「ぶ・た」
2 虎(砥石、蔵の下部で「と・ら」)
3 鼠(眠れない箕だから「ねず・み」)
4 獅子(武士が四の字を書いているから「し・し」)
5 熊(熊坂長範の上半身で「くま」)※熊坂は牛若丸に討たれた大泥棒
6 狸(田圃から抜いているので「た・ぬき」)
7 羊(櫃〈ひつ〉の中にある琴柱で「ひつ・じ」)
8 猿(離縁状を渡して去っていくから「さる」)
9 猫(寝ている子供で「ね・こ」)
10 狼(芋を噛む様子で「お・を・かみ」)
11 狐(杵の間に「つ」の字で「き・つ・ね」)
12 鹿(静御前の中央がないことから「し・か」)
13 狆〈ちん〉(鼻をかむ擬音が「ちん」だから)
14 麒麟(木、鈴で(き・りん」)
15 馬(鵜の魔物なので「う・ま」)
16 兎(鵜、鷺で「う・さぎ」)
17 鼬〈いたち〉(井戸に太刀で「い・たち」)
18 狢〈むじな〉(六つの品の字に濁点で「む・じな」)
19 犬(縫い取りをする人が逆さまになっっているので「いぬ」)
20 猪(井戸に子供が小便で「「い・(の)・しし」
※幼児語でおしっこしたいということを「しーしー」というから)
熊坂長範は謡曲の主題にもなっている平安時代の伝説上の盗賊ですが、現代人でこの絵を見てピンとくる人は少ないでしょう。静御前は、源義経の前で舞う巫女の舞装束のイメージが強いのですが、つづらを持ったただのお姫さまに見えますよね…。
ただ、獣に関しては全体的に地名よりも腑に落ちる答えが多い気もします。
さてあなたは難問解けましたか?今なら親父ギャグと一笑されてしまいそうですが、人間って今も昔も変わらないんだなあとほっこりしませんか?
参考文献:いろは判じ絵 —江戸のエスプリ・なぞなぞ絵解き、江戸の判じ絵 これを判じてごろうじろ
画像:国立国会図書館より