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千手観音と関係アリ!?東京都足立区の地名「千住」の由来とは?:2ページ目
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足立区千住2-11にある浄土宗のお寺・勝専寺には、足立区登録文化財に指定された木造の千手観音像が鎮座しています。この千手観音は1327(嘉暦2)年に、新井図書政次という人が荒川で網を打っていたときに引き上げられたものと言われています。
水底から引き上げられた千手観音像は、新井図書政次の息子の新井兵部政勝が開いた勝専寺に祀られました。やがて「千手観音」の「千手」が「千住」へと変化し、そのまま地名になったというのです。
他の説もありますが、信憑性としては…?
「千手観音に護られた町」というと、とても縁起が良い印象を受けますね。しかし「千住」の地名の由来には、他の言い伝えもあります。
その1つが、戦国時代頃に千葉氏という豪族が住んでいた地域であることから「『千』葉が『住』んだ=『千住』」となったというもの。また室町幕府の8代将軍・足利義政の愛妾だった「千寿」という女性の名前にちなんでつけられたという説もあります。
ただこの2つの説は、「千住」という地名が1279(弘安2)年頃には既に存在していたことを考えると、時期的に合いません。しかし近隣の小学校名には「千寿第五小学校」のように「千寿」の表記が見られることもあります。
いずれにせよ、東京都の最北端に位置し、都心部だけでなく神奈川や埼玉へのアクセスも良いという便利な立地の町には、千手観音のご利益が確かにあるのかもしれませんね。
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