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実は盗用。太宰治文学のキャッチフレーズ「生まれて、すみません」を考えたのは太宰治ではない

実は盗用。太宰治文学のキャッチフレーズ「生まれて、すみません」を考えたのは太宰治ではない:2ページ目

後日、そのことを山岸からきいた太宰は、「あの句は山岸君のかと錯覚するようになっていたのですよ」「わるいことをしたな」と狼狽したそうです。

この事件の後、寺内は文学をやめ、躁鬱病になり、家出を繰り返しながら、とうとう失踪してしまいます。この寺内の生涯に、太宰との一件が関係していたとすれば、太宰は若い作家の芽を無意識に摘んでしまうという罪を犯してしまったことになります。

皮肉なことに、太宰がダメ人間ぶりを露呈させればさせるほど、太宰を語るものとしてこの言葉は、人々に説得力を与え続けました。

「生まれて、すみません」というこの名言からは、二人の作家の生き方と、お互いの行き違いを読み取ることができるのです。

 
 

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