昨日紹介した色彩豊かな明治時代の図案集「京華図案」に引き続き、今回も明治時代に制作された図案から「工芸新図」という作品を紹介します。
「工芸新図(こうげいしんず)」は、明治25年に制作された上下巻からなる図案で、田中幽峰(たなかゆうほう)という人物による作品です。残念ながら田中幽峰についての詳しい情報はわかりませんでした。情報をお持ちの方はぜひご一報ください。
「工芸新図」に描かれた図案は日本の伝統模様の流れをくむデザインですが、Japaaanでこれまで紹介してきた図案とは一味違うテイストで、作品に寄っては中国・アジア圏の伝統模様のような意匠が見られるものも少なくありません。
また、植物をモチーフとした図案に混じって、鳥や動物などを連続的に配した図案が多いのもユニークですね。
壺や着物などを模写したとみられるページもありますが、「工芸新図」というタイトルからすると、工芸品に描かれる図案としてまとめられたものの可能性もありますね。鳳凰や孔雀をシンメトリーに図案化した作品は、壺などの全方位から見られるものに適している気もします。