つめ込みすぎでしょ!鎌倉時代の仏像内部から巻物など大量の納入品の存在が確認されました
奈良県奈良市にある法華寺が所蔵する鎌倉時代の仏像「文殊菩薩坐像(もんじゅぼさつざぞう)」の内部に、巻物をはじめとする大量の納入品があることが確認されました。
今回、納入品の存在が確認された仏像「文殊菩薩坐像」は、法華寺の本堂内東端の脇間に安置される騎獅文殊菩薩像で、2012年に一次調査が行われ、仏像内の納入品の存在が確認されていました。2017年には大型の文化財用X線CTスキャナを用いての調査が実施され、その調査から内部の詳細な情報を確認することができたとのこと。
素人目で見てもぎっしり詰め込まれているのがわかります。
納入品は頭部内に巻子や舎利容器などを含む約30個あり、胴部には巻子状のものを中心に、なんと約150個もの納入品の存在が確認されました。この仏像には納入品が取り出された形跡がないため、造立当初の納入状態を保っていると見られています。
納入されている巻物や容器の中身は鎌倉時代の貴重な資料が保管されていると考えられており、仏像の文化的価値が高まったとしています。
文化的価値が高いとされる仏像でも、内部をCTスキャンし詳細な情報を得たものはそれほど多くは無いと思うので、今後も同様の調査によって新たな発見は続いていくのかもしれませんね。
今回、内部の納入物が確認された「文殊菩薩坐像」は、奈良国立博物館 なら仏像館の名品展「珠玉の仏たち」にて、期間限定で公開されています。
文殊菩薩坐像 特別公開
- 展示期間:平成 30 年 5 月 8 日(火)~ 5 月 27 日(日)
- 休館日:毎週月曜日
- 開館時間:午前9時 30 分~午後 5 時 ※毎週金・土曜日は午後 8 時まで (入館は閉館の 30 分前まで)
- 展示場所:奈良国立博物館 なら仏像館 第 12 室