JR両国駅から1本道を歩いてすぐのお寺
大相撲の本場所が開催されることで知られる両国国技館から歩いて10分足らずの場所に、大相撲の歴史に縁の深いお寺、回向院(えこういん)があります。
「回向院」と聞き、仏教(禅宗)の学校出身の筆者は真っ先に、お経を読んだ後に唱える「願く(ねがわく)はこの功徳を以て(もって)、普く(あまねく)一切に及ぼし・・・」という「普回向」を思い浮かべました。
「回向(えこう)」とは本来「自分の修業による功徳を他者にも転回する」という意味の仏教用語ですが、現在では「死者の成仏を祈り、供養する」という意味でも使われています。そこからも分かるとおり、このお寺は動物や、災害で亡くなった死者、更には刑死者までも供養することを理念としているのです。
JR両国駅西口を出ると、回向院までは1本道。「さすがここは相撲の街」と感じられる横綱のオブジェに囲まれた「国技館通り」を真っすぐに歩き進むと、ほどなくしてビルに挟まれた山門が見えてきます。方向音痴の筆者でも、迷うことなくたどり着くことができました。
かつて国技館があったお寺では、ペット供養も!
山門をくぐり参道を進んでいくと、左手の「力塚」という大きな石碑が目につきます。これは昭和11年に、歴代の相撲の年寄の慰霊のために建てられたもの。
実は昔は、相撲の興行を行うための国技館も、このお寺の境内にあったのです。山門の外の「旧国技館跡」という立看板には、かつての国技館の歴史が詳しく書かれています。
更に進んでいくと、ペットの供養塔がいくつも並んでいます。犬や猫だけでなく、鳥の供養塔もありました。
境内では、飼い主とおぼしき女性に毛を櫛でとかしてもらい、ご機嫌な2匹の猫にも出会えました。