大仏とは何を指す?お地蔵さん、仁王ってそもそも何者?知っているようで知らない仏の名称:2ページ目
仁王像の正式名は金剛力士
仏の階級には大きく分けて「如来」「菩薩」「明王」「天部」があります。
お寺でお馴染みの仁王像は山門で睨みをきかし、猛々しい姿で私たちを見下ろしていますね。仁王像は正しくは金剛力士といって、天部に属する仏。「金剛杵(こんごうしょ、仏敵を退散させる武器)を持つもの」を意味し、その名の通り仏法を守護するボディーガードのような存在です。
山門に向かって右側が阿形像、向かって左側が吽形像のことが多く、その呼称は、サンスクリット語の母音の始めと終わり「阿吽(あうん)」から来ています。ちなみに対ではなく単体だと「執金剛神」という仏と同一視され、その場合甲冑を着ていることが多いようです。
千手観音の眷属である二十八部衆に組み込まれている場合、阿形像は「那羅延堅固王」(ならえんけんごおう)、吽形像は「密迹金剛力士」(みっしゃくこんごうりきし)と呼ばれます。
仏は仁王に限らず、呼称が変化することが結構あります。とってもややこしく感じられますが、人間も時と場所が変わると呼称が変わりますね。会社では「課長」などの役職名、家族でいるときは「お父さん」などと関係性で呼ばれます。それと同じと考えれば自然と受け入れやすくなると思います。
33の顔を持つ観音さま
観音さまとは「観音菩薩」の略で、菩薩は「如来になるために修行中の身」である釈迦のこと。出家した際の釈迦の姿に一番近いと言われているのが「聖観音」で、顔が一つ腕が二本という、人間にもっとも近い姿をしています。
観音菩薩は、世の中のあらゆる人を救うために様々な姿に変身するため「変化観音」とも呼ばれます。その数なんと33種類!法華経の「観音経」と呼ばれる経典にこのことが書かれており、京都で有名な「三十三間堂」の数字はここからきています。