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そうだったの?江戸時代 頻発した遊女による吉原放火。火事があると大繁盛した「仮宅」ってどんなところ?

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火事大歓迎?!

度々行われた放火は、楼主にとってもさぞかし迷惑…と思いきや、そうではなかったようです。というのも、仮宅は、江戸市中にあってアクセスはよく、いつもと違う雰囲気で、値段も安くなるので、日頃は吉原に足を運ばない男も多く訪れたとか。粗末なつくりで大してお金もかけていないのに、いつもより客がくるとなれば、楼主にとっても嬉しいわけでした。

最近売れ行きがいまいち…と思ったら、不謹慎にも「仮宅にならないかしら」とひそかに願うほど。実際に火事が起きても、熱心に消火しなかったそうです。一軒でも見世が残っていると仮宅が許可されないので、全焼したほうがよかったのですね。

仮営業なのに大繁盛

客と楼主にとっては大歓迎の仮宅ですが、遊女にとっては喜んでばかりいられない営業でした。いつもより格段と多い客をさばいていかねばならない遊女の気持ちはつゆ知らず、といったところでしょうか。

和泉屋という小見世では、たった13人の遊女が一昼夜でなんと91人の客をさばいたとか!かなり、遊女にとっては負担が大きかったはず。

そうはいっても、火事になって仮宅での臨時営業になったら、愚痴をいう暇もなく、なんとか客に対応しなければいけません。そうやって遊女は、日々逞しくなっていたのかもしれませんね。

 

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