『豊臣兄弟!』10代で散った小一郎と慶の嫡男・与一郎(大西利空)。豊臣家の跡継ぎを襲った悲劇:3ページ目
祖父に復讐心を吹き込まれて育った与一郎
「豊臣兄弟!」では、与一郎は小一郎の妻・慶と前夫・堀池頼広との子どもでした。
かつて主家であった美濃の斎藤家が織田軍に攻め滅ぼされ、仕えていた頼広は戦死し、堀池家は没落。
西美濃三人衆として斎藤家に仕えていた慶の父親・安藤守就(田中哲司)は、小一郎に調略され織田家に仕えることになりました。
頼広の父・堀池頼昌(奥田瑛二)は織田に寝返った守就の娘である慶を憎み家から追い出し、与一郎と引き離したのでした。
そこで、慶は使者に依頼して陰ながら与一郎の成長を見守っていたのです。けれども、使者から“頼昌の与一郎に対する扱い”を聞き、耐えきれずに小一郎に事情を打ち明けたのでした。
事情を聞いた小一郎は、与一郎を返してもらうべく、慶とともに頼昌に会いに。
実は、頼昌は、息の命を奪った織田憎しで「復讐」だけを心の支えに、与一郎に「毒」を吹き込むモラハラ祖父と化していました。
そんな頼昌に慶は「与一郎に恨みを晴らさせることはやめてくれ。」と頭を下げたのでした。
幼い与一郎に厳しく弓を教えながら、人型の的を「織田の人間だと思って、真ん中を狙って矢を放ち殺せ!」と命じる祖父。
自分の憎しみを孫の与一郎にぶつけ、孫の苦痛の表情にはおかまいなしの毒爺。
けれど、与一郎は、この毒爺に従ってはいるものの、魂までは侵されていないのを感じました。
意味深なタイトルだった『過去からの刺客』
そんな頼昌は、興奮して頭を下げている慶を斬ろうとしたとき。
妻・絹(麻生 祐未)は、頼昌が心の拠り所にしている亡き息子の鎧を床にガッシャ〜ンとばかりになぎ倒しました。
「これは、頼広などではありませぬ!あの子は優しい子だった」と叫び、復讐心にとらわれ過ぎた夫の目を醒まさせたのでした。(ほんと、絹さん最高でした)
絹のおかげで我を取り戻した頼昌は、小一郎と慶に与一郎を返しました。
羽柴家に来た与一郎は、まだ遠慮している様子。
けれども、「実の子ではなくても一緒に暮らしているうちによう似てくるから心配するな」といい、父となる小一郎にいわれて笑顔を見せていましたね。
ちなみに、この回のタイトルは『過去からの刺客』。
信長がずっとトラウマとして抱えていた、弟・信勝(中沢元紀)の息子で甥の織田信澄(緒形敦)が初登場した回でもありました。
幼い頃から、祖父より「織田への憎しみ」を日々植え付けられて育った与一郎。
幼い頃から、母親より「信長を殺せ」と日々呪詛のように教え込まれた信澄。
「過去からの刺客」という意味深なタイトルで初登場した二人でしたが……そんな与一郎も、信澄も「本能寺の変」後、天正10年に命を落とすとは。このときは思いもしませんでした。
