【豊臣兄弟!】お市が長政を介錯した衝撃ラスト…“終焉と滅亡”が描かれた第17回『小谷落城』を考察:4ページ目
優しい「大男」の物語がお市の行動を決めた
そんなお市の最後となる行動を決めたのは豊臣兄弟の他愛ない「物語」でした。
第12回『小谷城の再会』で、小一郎と藤吉郎が茶々を産んだお市と久々に再会した時に、途中まで話をしていた『不思議な大男の物語』。
今回、その物語の続きを唐突に小一郎が語り始めます。
それは、去ろうとしたお市が立ち止まりお守り袋を握り締め、俯いて涙声で「強うなどなれぬ……」と呟いたのを見たから。
「続きを話すと約束していたから」と小一郎も藤吉郎も、泣きながら話を続けます。
湖の水を飲み干して溺れた娘を助けた大男。その娘が大好きなので抱きしめようとするも膨らんだ大きなお腹が邪魔で抱きしめられない。
そこで、大男は「この針を私のお腹に刺してくれ」と娘に頼むも「そんなことはできない」と断られて、自分で針をお腹に刺す。
すると鉄砲水のように水が吹き出し、その勢いで大男は空に昇っていった。
そして月となり、その娘をいつも優しく見守った。
月が丸くなったり細くなったりするのは大男のお腹が膨れたりしぼんだりするからかもしれない。
炎が燃えさかり煙が蔓延する小谷城、腹に刀を突き立て苦しむ長政の映像を背景に、二人は最後まで泣きながら話をします。
「私はいつも思うておった。兄上が太陽ならば殿は月のようじゃと。」というお市。
長政の介錯を決めて「刀を」を寄越すように手を差し出します。一瞬迷う小一郎に、かすかに頷く藤吉郎が印象的でした。
太陽の明るさ・熱は、度が過ぎると眩しく熱くその激しさで人々を疲弊させます。けれども、月は強烈な主張はないものの、静かに暗闇を優しく灯し続けてくれます。まるで長政とお市のことを表現した物語でした。
史実では、浅井長政はかなりの巨漢で、背が高いだけではなくまるで「相撲取り」のような立派な巨体だったそうです。
娘を助け空でいつも見守っている月になった大男は、史実の長政のことを表しているのでしょう。
最後に
さまざまな要素が詰め込まれた今回。やはり、個人的には「長政とお市の最期」が一番心に残るエピソードでした。
けれど、「光秀はどうしておる?」と信長に尋ねる足利義昭に、「十兵衛はもう我がものにございますゆえ」と、元カレに対して強烈なマウントをとる今カレ感の強い信長の場面も、印象に残りました。
というのも。「俺のもの」にしたはずの光秀に、これから信長は討たれるから。光秀は、図らずも「公方様が織田に置いていった爆弾」となる未来が待っています。
豊臣兄弟が好きだった義昭。別れ際の「光秀と仲良くしてやってくれ」と頭を下げ「信長が嫌になったらいつでも儂を頼って来い」と将軍ジョークをいうのが好きでした。
確かに制作側のいうように「ピリオドになる回」だけあり、濃密で何度も見直したくなりました。
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