【豊臣兄弟!】お市が長政を介錯した衝撃ラスト…“終焉と滅亡”が描かれた第17回『小谷落城』を考察:3ページ目
お市を守るために「死」を選んだ長政
小一郎(仲野大河)と藤吉郎(池松壮亮)と柴田勝家は、信長に「たってのお願い」とお市救出を申し出ました。
小一郎と藤吉郎は、長政とお市に会い「織田家に戻るよう。信長殿は、謀反はお市さまをを守るためだと分かっている」と説得するも、長政は断ります。
お市を守るための謀反ではあったものの、一時「天下取りの夢をみてしまった。信長にもお市にもすまない」と謝る長政。けれども、「織田信長と戦い、あと一歩のところまで追い詰めたことを、わしは誇りにしている」「だからもう、このままここで終わらせてくれ」と涙ながらに語りました。
「私もお供いたしまする」というお市に「ならん。そなたにはまだやらねばならぬことがあろう」と断り、生き続けることを望みます。
「ずるいお人じゃ。恨みまする」とお市。
長政の返答に納得がいかない小一郎は、
「人はどんな人でも皆死ぬ。病や怪我で死ぬものも大勢いる。なんでわざわざ自ら死なねばならんのじゃ。侍の誇りがなんじゃ。そんなものは捨てて、生きたくても生きれなかったもののために生きてくだされ」
この言葉は、本当、100%賛成でした。
「戦って死ぬが侍の美学」とせず「みっともなかろうが、手柄をあげなかろうが、負けようが、『生きていることが大切』」というこのドラマのポリシーが、今回は小一郎のセリフに息づいていました。
この渾身の説得には、「直(白石聖)の願い」も生きていましたね。
けれども意思を変えない長政は、最期に信長とはできなかった相撲の試合を豊臣兄弟二人を相手に行います。
以前、信長と相撲をとった場面を思い出す長政。思い切り、豊臣兄弟を投げ飛ばし「勝った。わしは勝ったんじゃ。ざまあみろ、信長」と、幻想の中で信長を打ちまかし「これで思い残すことはない」という心境になったのでしょうか。
自分に言い聞かせるように言ったあと、柔らかな表情で「藤吉郎殿、小一郎殿ありがとう。わしのためにここまでしてくれて。最期に会えたのが二人でよかった」
と、静かに微笑みます。こういうセリフを素直に相手に伝えられるのが、このドラマの長政の魅力。ほんと推せます。
お市は「娘たちをそなたのようなよき姫に育ててくれ」「いつまでのそなたらしく強く生きてくれ。わしはそんなそなたが大好きであった」と長政に言われ、渡された手作りの3つのお守り袋を握り締め、娘や次女たちとともに城を出ようとしますが……。
実は、記録によると、お市は長政を置いて小谷城を退却したことを悔やんでいたそうです。
浅井三姉妹の次女 「初」ゆかりの江戸城大奥の老女・渓心院の覚書写本『渓心院文』(お市の実像をうかがわせる信ぴょう性のある史料とされている)に
夫・長政との別れについて「御いちさま仰せには、あざい殿時分出させられさえ御くやしく候に」という記述が。つまり、浅井家滅亡の際に、夫を置いて退去したことを「くやしく」思っていたのです。
お市は共に最期を迎えようとするも、ドラマのように「ならん。そなたにはまだやらねばならぬことがあろう」と説得されたのではないでしょうか。
