『豊臣兄弟!』なぜ慶(吉岡里帆)や寧々(浜辺美波)は男に媚びない?実は史実に近い戦国女性の姿:2ページ目
フロイスの視点から見た「自由すぎる日本女性」
『日欧文化比較』の第二章「女性とその風貌、風習について」には、次のような戦国時代の女性像が記されています。
その行動については、「日本では若い娘たちは両親に断りをいれずに、数日でも一人で好きなところへ出かける」。また、「日本の女性は、夫がいても知らせずに、好きなところに行く自由をもっている」。
またその貞操観念については、「日本の女性は、処女の純潔を少しも重んじない」「処女でなくても名誉を失わなければ、結婚にも差し支えがない」と記します。
そして性交渉の末、妊娠したとき、「日本では堕胎はきわめて普通のことで、二十回も降ろした女性がいる」。さらにショッキングなのが「日本の女性は、産んだ子を育てていくことができない場合、のどの上に足を乗せて殺してしまう」とまで書かれています。
また結婚観についても、「妻が夫を離別するなどの離婚がしばしばあり、離婚されても妻の名誉は失われず、女性にとって離婚歴は再婚の妨げにならない」とします。
さらに夫婦間の金銭観にも触れ、「日本では財産は夫と妻、それぞれが自分の分を所有している。場合によっては、妻が夫に銭を高利で貸し付ける」とまで記されていました。
つまりフロイスによれば、戦国時代の女性たちは、夫と同じような権利を有し、男に媚びることもない独立した地位をもっていたということになるのです。
このようなルイス・フロイスの記述は、キリスト教的価値観との対比や異文化への驚きが含まれており、そのまま史実とは断定できないのではないかといわれてきました。
また、キリスト教的な道徳観からすれば、『日欧文化比較』に記された日本女性のあり方は、とんでもないことで、多分に批判的な感情をフロイス自身がもっていたとも思われます。
しかし一方で、「ヨーロッパでは女性は文字を書かないが、日本の高貴な女性はそれを知らなければ価値が下がると考えている」など、日本女性の優れた点もしっかり認めているのです。
そのようなことから、フロイスが書き残したことは全てとは言わなくても、本当のことが相当数あったと思われるのです。
3ページ目 『豊臣兄弟!』で描かれる女性の姿は史実に近いのか

