『豊臣兄弟!』第9回、あの“謎の武将”は誰だ?斎藤龍興の家老・長井隼人正道利の正体【前編】:2ページ目
出自は不明ながら斎藤家の最重要人物の一人
長井隼人佐道利と聞いても、よほどの戦国マニアでない限り、ピンとこない人は多いのではないでしょうか。
しかし彼は、斎藤道三・義龍・龍興という美濃国主三代にわたり仕え、稲葉山城落城後も龍興と運命をともにした武将とされています。
美濃斎藤氏といえば、多くの人の頭に真っ先に浮かぶのは「美濃の蝮」こと斎藤道三(演:麿赤兒)でしょう。道三は一般に「一介の油売りから身を起こし、謀略と策略によって、わずか一代で美濃国主となった下剋上の代表的人物」として知られています。
しかし、その道三でさえ出自など不明な点が多いのが実情です。近年では新たな資料や研究によって、実は父の長井新九郎正利(後の西村勘九郎正利)と二代で美濃を掌握したことが明らかになりつつあります。
「えっ、道三の父の姓は長井なの?」「じゃあ、斎藤という姓は何なの?」そう思う人がいても不思議ではありません。
そもそも、美濃における斎藤家は、美濃守護・土岐氏の家臣であり、長井家はさらにその配下の家でした。つまり道三の父は長井家を乗っ取り、さらに道三はその主である斎藤家までも奪い取ったことになります。そのため、系譜関係が非常に複雑になってしまったのです。
ここからは少しでも分かりやすくするため、道三以前の斎藤家を「前斎藤家」、それ以降を「後斎藤家」と称して話を進めていきます。
