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【豊臣兄弟!】さよなら直。小一郎が“帰る場所”を失った夜…情緒が揺さぶられた衝撃展開を考察

【豊臣兄弟!】さよなら直。小一郎が“帰る場所”を失った夜…情緒が揺さぶられた衝撃展開を考察:3ページ目

侍になり「百姓生活の過酷さ」に目が向かなくなっていた

弥助とともに帰路についた直は、本当に幸せそうでした。手には「豊臣兄弟!」の象徴である「風車」をもって。

以前もご紹介したのですが、この風車はドラマのオープニングやポスター、本編の中でも登場しています。これは、兄弟をイメージするアイコンとして藤吉郎は瓢箪、小一郎は風車としたそうです。(NHK名古屋局の豊臣兄弟ポスター撮影コーナーの説明書きより)

そのカラフルな風車を持っている直に、別れの予感がしました。

渇水で不作に苦しむ百姓同士の戦いに遭遇した直と弥助。直は、倒れた子供に思わず走り寄りその体に覆い被さり背中を斬られてしまいます。

子供を庇った女性を背後から斬る(斧で殴った?)など、“なんて卑怯な”と怒りに震える場面。

その前に、村で弥助は久しぶりに小一郎の友人だった玄太(高尾悠希)に再会していました。玄太は「藤吉郎はそんなに偉くなったのか!じゃったらなんとかしてほしい。ここのところ日照り続きであちこちで水の取り合いで争い続きだ。」と言います。

「あいつら、今美濃攻めの真っ最中じゃ。こんな小さきことにはかまってられんわ!」と返す弥助。

「わしらにとっては生きるか死ぬかじゃ」と玄太。

その「こんな小さきこと」が直の命を奪うとは、弥助は想像もしなかったでしょう。

この弥助の、ある意味いつの間にか身に付いてしまった“奢り”は、小一郎そのものの“奢り”。

盗賊どもに村を荒らされ、友人を惨殺され、「なにが信長じゃ!わしらの作った米を食わねば死んでしまうくせに」と侍に対する怒りや、虫ケラのように殺される運命の百姓という立場への怒りを抱えていたのに。

いつのまにか、信長や兄者に付いて働いていくうちに、出世することが優先し、水のある無しで争う百姓生活への関心が薄れ、「戦いの現場で命張る侍が偉い」(たしかに命懸けでしたが)という意識に自然になっていくのは致し方ない変化なのかもしれません。

以前の小一郎なら、百姓同士の血で血を洗う争いを知ったら、その戦いを止め解決をしただろうに。出世して、衣食住に不自由しなくなり、いつしか「百姓の生活の過酷さ」を忘れていたことが、結果的には直の死を招いてしまったという気もします。

まるで眠り姫のように美しい直の亡骸。掛けられているのは白い花嫁衣装です。あの混乱の中、助けることができなかった自責の念で、弥助は「せめてこれだけでも」と、婚礼衣装と直の亡骸を必死で連れて帰ってきたのでしょうか。

「わしは生きとるぞ。わしは約束を守ったぞ。起きてくれ、直」と慟哭する小一郎。

辛い場面でした。

4ページ目 大切なのは「戦いの手柄」ではなく生きている“命”

 

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