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織田信長が小姓を呼びつけておいて「何でもない」実は“試して”いた、信長の繊細すぎる人材登用術

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ようやく分かった信長の真意

またしばらくして、信長は小姓を呼びつけました。

「誰かおらぬか」

三人目の小姓も部屋に入り「何用にございましょうか」とうかがいます。

信長は今度も「いや、何でもない」と答えました。本当に、何が目的なのでしょうか。

「また何か御用の折は、お呼びつけくださいませ」と三人目の小姓が退出しようとして……。

部屋の隅にゴミが落ちているのを発見。彼はこれを拾ってから退出したのでした。

このゴミ、実は信長が用意したもの。呼びつけた小姓が退出する際、これに気づくか(拾うか)試していたのです。

呼ばれたからやって来て、何もないからそのまま帰るのでは能がありません。

冷静に周囲を見て状況をとらえ、自分にできることを実行する才覚を見抜こうとしたのでした。

かくして三番目の小姓が、信長から重く用いられたのは言うまでもありません。

終わりに

今回は信長が小姓たちを試したエピソードを紹介してきました。

信長と言えば「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」の歌に表される激しいイメージが先走るものの、冷静な判断や的確な行動を評価する繊細な一面もあったようです。

現代に生きる私たちも、冷静な判断力と的確な行動力で、周囲の評価や人生の成功を勝ち取りたいものですね。

※参考文献:

  • 笠谷和比古『武士道 サムライ精神の言葉』青春出版社、2008年8月
 

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