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『べらぼう』総集編の放送間近!蔦重を生み育てた“女たちの底力”、感動の名場面をおさらい【4人の女神編】

『べらぼう』総集編の放送間近!蔦重を生み育てた“女たちの底力”、感動の名場面をおさらい【4人の女神編】:4ページ目

蔦重の“夢”を形にしてくれた歌麿

蔦重の四人目の女神には「歌麿」をあげたいと思います。26話「三人の女」では母・つよ、妻・てい、そして三人目の女として歌麿が取り上げられていました。

筆名を「歌麿門人千代女」としてなぜ?と問われたときに「生まれ変わるなら女がいいからさ」とつぶやいた歌麿でした。

蔦重の唯一無二の存在になりたかった歌麿。けれども、たった一人しかいない母親にも妻にもなることはできません。

歌麿は、松平定信(井上祐貴)が“神々”と呼んだ、チーム蔦重の一員ではありますが、もっと“家族”同様に近しく濃い存在。蔦重のビジネスが成功していったのは、歌麿のおかげです。

歌麿と蔦重の名場面もたくさんあり過ぎて絞れません。けれども、最後になって写楽プロジェクトに参加できて

「望まれない子の俺が許されてる気がした。あの絵には関わった皆が溶け合ってた。俺のその一部に。鬼の子もこの世で生きてて良いよ、って言われたような。声かけてくれてありがとう、義姉さん。義兄さんにもよろしく」

という優しい笑顔が印象的でした。

鳥山石燕(片岡鶴太郎)に絵を習っているとき、きよ(藤間爽子)と心が通い合ったときも穏やかな顔をしていましたが、今までの中で一番柔和な表情だったと思います。

蔦重の最期に寄り添った歌麿。内側から後光が射しているかのような、優しい輝きに満ちた女神のような「なら、死ぬな」は、「頑張れ」「もっと生きろ」などどんな励ましの言葉よりも、蔦重の心に沁みたでしょう。

蔦重の“夢”を叶えるべくそっと見守ってくれた女神たち

本屋という自分の“夢”に邁進していく蔦重の道は、平坦でなだらかではありませんでした。

時には周囲の意見を無視したり怒られても進まなければ、到底前へ前へと歩んでいくことはできなかったでしょう。

そんな蔦重の“夢”を叶えるべく、そっと灯火をかかげて行く先を明るく照らし、時に寒風吹き荒れるときは、暖かく外套のように包んであげた……女神たちの存在があってこそ、“夢噺”を紡ぐことができたのでしょう。

 

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