戦国時代、忍者が本当に使っていた「忍び六具」とは?派手さゼロなのに恐ろしく実戦的なリアル装備
戦国時代、夜陰に紛れて任務を遂行した忍者たち。
彼らは奇想天外な妖術や様々な忍具を駆使し、諜報や撹乱など各種の工作活動を成し遂げたと言います。
今回はそんな忍者たちが使いこなした「忍び六具」を紹介。果たしてどんな道具だったのでしょうか。
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忍び六具とは
忍び六具とは、文字通り忍者が使った基本的な6つの道具を指します。
具体的には、以下の通りです。
一、打竹(うちたけ)
一、三尺手拭(さんじゃくてぬぐい)
一、石筆(いしふで/せきひつ)
一、鉤縄(かぎなわ)
一、忍薬(しのびぐすり)
一、網笠(あみがさ)
それぞれどんな事に使うのか、さっそく見ていきましょう。
打竹(うちたけ)とは
竹筒の中に火打石(ひうちいし)と火打金(〜がね)、そして火口(ほぐち)を入れたものです。
火打石と火打金を打ちつけて火花を起こし、火口に引火させて火種を作ります。
灯りを点けたり煮炊きしたり、火を放ったりするために使われました。
しかし火打の音が聞かれてしまうことがあるため、そういうケースでは袖火(そでび)と呼ばれる携帯用の火種を持参したそうです。
また灯りもなるべく光が漏れないよう、栄螺火(さざえび)や入子火(いりこび)という携帯用証明具を用意することもありました。
三尺手拭(さんじゃくてぬぐい)とは
その名の通り、長さ三尺(約90.9センチ)の手拭です。タネも仕掛けもありません。
こんなモノが忍具なの?とがっかりされた方がいるかも知れませんが、これがなかなか役立つのです。
主な用途は以下の通り。
一、覆面として顔を隠す。
一、包帯として傷の手当てに。
一、敵の首を絞める。
一、ロープ代わりに使う。
一、泥水を濾過して飲む。
一、石を包んで武器にする。
一、濡らして音を鳴らす。
一、登攀具として使う……等々。
最後の登攀具とは、どんな使い方なのでしょうか。
手拭を濡らして勢いよく壁に叩きつけると、摩擦と吸着力でなかなか剥がれなくなります。これを手がかりにして跳び上がり、高い塀などを登ることができました。
かなりの熟練を要する技術ですが、三尺手拭のお陰で窮地を脱した忍者も少なくなかったことでしょう。



