戦国時代、忍者が本当に使っていた「忍び六具」とは?派手さゼロなのに恐ろしく実戦的なリアル装備:3ページ目
意外と地味?
ここまで忍者が活用していた忍び六具について紹介してきましたが、意外と地味でがっかりした方も少なくないかも知れませんね。
「鉤縄や毒薬はともかく、他は火付け道具と手拭、チョークと薬と網笠って……」
その気持ちもよく解ります。解りますが、しかしこのシンプルさこそ忍者の身上でした。
敵地に潜入するなどの隠密任務に際して、あれこれ持っていく訳には行きません。重い金属製品は持ち運びが大変ですし、いかにも「私、忍者です」と言わんばかりの道具が敵に発見されれば、間違いなく殺されてしまう(死ぬまで拷問のフルコース)でしょう。
最小限の持ち物で最大限の威力を発揮するところに、忍者としての技量が問われたのです。
もちろん任務によってはこれ以外の特殊忍具が必要となることもあり、ケースバイケースで使い分けたのでした。
カッコいい!忍具たちも紹介
しかしせっかくなので、いかにも忍者らしい?忍具についても紹介します。
- 手裏剣(しゅりけん)
- 苦無(くない。ダガー)
- 錣(しころ。携帯ノコギリ)
- 撒菱(まきびし)
- 鎹(かすがい。連結金具)
- 忍び刀(日本刀)
- 吹矢(ふきや。暗殺用)
- 半弓(はんきゅう。携帯弓矢)
- 仕込み杖(中に刀)
- 角手(かくて。指用メリケンサック)
- 忍鎌(しのびがま。鎖鎌バージョンも)
- 十手(じって。鈍器)
- 鉢割(はちわり。兜割)
- 鉄扇(てっせん。鈍器)
- 鉄砲(てっぽう。火縄銃)
- 火矢(ひや。放火用)
- 埋火(うずみび。携帯用地雷)
- 鳥子(とりのこ。同じく地雷)
- 宝録火矢(ほうろくびや。手榴弾)
- 飛火炬(とびひこ。ロケット弾)
- 水火縄(濡れても点火出来る火縄)
- 玉焦火(たまこがしび。対船舶用爆弾)
- 楯火炬(たてかこ。照明付き楯)
- 取火(とりび。火炎放射器)
- 巻梯子(まきばしご。登攀用)
- 挟箱船(はさみはこぶね。組立式の小舟)
- 水蜘蛛(みずぐも。水上を歩ける)
- 葛籠筏(つづらいかだ。携帯用の筏)
- 戸閉(とじめ。戸や襖を固定)
- 刃曲(はまがり。ピッキング道具)
- 延鑰(のべかぎ。バールのようなもの)
- その他工具(釘抜、鋏、鑿、錐など)
いかにも忍者感が強くてカッコいいですが、これらを全部持っていくのは現実的ではありませんね。
皆さんは、どの忍具が好きですか?筆者は飛火炬をいっぱい飛ばしてみたいです!
終わりに
今回は戦国時代の忍者たちが用いたと伝わる「忍び六具」などを紹介してきました。
そのレパートリーは実にシンプルでしたが、使いこなせば実に高い威力を発揮するものばかりです。
往時の忍者たちは、これらの道具を使いこなせるよう、日々鍛錬を積んだことでしょう。
筆者も三尺手拭を使って、壁を跳び上がってみたいです!
※参考文献:
