戦国時代、忍者が本当に使っていた「忍び六具」とは?派手さゼロなのに恐ろしく実戦的なリアル装備:2ページ目
石筆(いしふで/せきひつ)とは
これはチョークのようなイメージ。仲間に情報を伝えた後、すぐに消せるメリットがありました。
例えば縁の下を進む時、先の者が後の者を誘導するため、柱に印をつけるなどが考えられるでしょう。最後の者がそれを消せば、侵入の形跡が残りません。
またすぐ上に敵がいるなど、声を出せない、音を立てられない場面でも意思疎通が可能です。
石筆がない場合は矢立(やたて)を用意しました。これは小筆と墨壺がセットに入ったケースで、一般に使われているものと同じです。
鉤縄(かぎなわ)とは
麻縄の先端に幅五寸から一尺(約15.2〜30.3センチ)の鉤をつけたもので、こちらは創作でもおなじみでしょう。
使いみちは塀や木に登ったり、敵の武器を絡めとったり、あるいは直接敵にぶつける武器にもなりました。
忍び六具の中で唯一の金属製品ですが、やはり体重を預ける都合上、強度は確保しなければならなかったのでしょうね。
忍薬(しのびぐすり)とは
カッコよく言っていますが、まとめると常備薬・毒薬・携帯食糧の総称です。
常備薬は自分や仲間に使う胃腸薬・止血剤・解毒剤、毒薬は敵に使うトリカブトやハンミョウ等、そして携帯食糧はいわゆる兵糧丸でした。
持病があればその薬も追加したことでしょう。
網笠(あみがさ)とは
時代劇でもよく見かける、ごく普通の笠です。かぶれば顔を分かりにくくしたり、直射日光を防いだりできます。
他にも容器としてモノを入れたり、座布団として尻に敷いたり、枕として使ったり等もできました。
またかぶり方や笠の形状を工夫(例えば広げたり狭めたり)すると、見た目の印象が変わるため、周囲の目をごまかす効果も期待できます。
たかが網笠、されど網笠。使いこなせば、これも立派な忍具として重宝されました。

