新選組=“剣豪集団”は誤解!西洋戦術、斬らずに捕縛、近藤勇は政治家…最新研究の成果で見えた実像
「フランス式」の新撰組
新撰組といえば剣豪集団というイメージが定着しています。
隊士の誰もが手練の剣士・撃剣の達人の集団で、白兵戦技に長けており、全員が最後まで武士道を貫いた集団であるかのように思われがちです。
しかし、実際には近代的な装備を調え、洋式訓練をおこなっていた集団であることは知らない方が多いのではないでしょうか。
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まず装備面から見てみましょう。新撰組は西本願寺を訓練所として使用し、そこでフランス式の軍事教練を行っていました。
扱っていたのは刀だけではありません。小銃や大砲といった近代的な武器の訓練も積極的に取り入れていたのです。
斬らずに捕縛
捕縛の方法も非常に合理的でした。一対一の剣術勝負ではなく、常に多数で取り囲む戦術を基本としていました。
これは、後年には新撰組が採用した「剣士としての必勝の戦法」として語られがちですが、あくまでも彼らの目的は「捕縛」にあったことがポイントです。
例えば、幕府が掲げた制札を土佐藩士8人が引き抜こうとしていた三条制札事件では、この不埒者の土佐藩士8人をわずか隊士3人で取り囲んで捕縛することに成功しています。
これは個人の剣の腕よりも、組織的な戦術が重視されていたことを示しています。
また、かの有名な池田屋事件についても誤解だらけです。新撰組が池田屋の屋内外で志士たちをバッサバッサと斬り捨てたイメージを抱いている人も多いでしょう。
確かに斬殺された志士もいましたが、実際には多くの志士が捕縛されています。これは記録にも残っており、殺害よりも生け捕りを優先していたのが実情でした。
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