【べらぼう】こんな伏線回収が!?追放された一橋治済(生田斗真)に視聴者が思い出した「あの場面」とは?
これまで数々の政敵を葬り去り、将軍の父として権力をほしいままにしてきた一橋治済(生田斗真)。しかし徳川家斉(城桧吏)らに毒を盛られ、まんまと追放されてしまいました。
「べらぼう」斎藤十郎兵衛とは何者?春町先生への後悔に視聴者歓喜!12月7日放送回を解説
前回のラストでいきなり登場した「傀儡好き」こと一橋治済(生田斗真)……のそっくりさん、斎藤十郎兵衛(生田斗真)。彼を替え玉にして、治済を政治的に抹殺しまおうと言う作戦が、蔦重(横浜流星)に明かされます…
一橋治済の身代わりとして、瓜二つの能役者・斎藤十郎兵衛(生田斗真)をここで登場させる展開に「そうきたか!」と多くの視聴者が驚いたことでしょう。
この展開を見ていた視聴者の中には「あの場面」を思い出し、伏線回収に膝を打った方も少なくなかったようです。果たして「あの場面」とは一体……?
「俊寛」の能面を選んだ治済。実は自身へのフラグだった!?
少し時は戻って第43回放送「裏切りの恋歌」で、ドラマの中盤に治済が能面を選ぶ場面が挿入されていたのをご記憶でしょうか。
大広間で22枚もの能面コレクションをずらりと並べ、まずは「真蛇(しんじゃ)」の面を顔に当ててみますが、今一つしっくり来ません。
そこで選び直したのは「俊寛(しゅんかん)」の面。かつて島流しに処された俊寛僧都(※)の孤独と絶望を表現しています。
(※)俊寛僧都:平安時代末期の僧侶で、平清盛に対する謀叛の罪で鬼界ヶ島へ流刑に。やがて他の者たちが赦される中、自分だけはただ独り取り残されることになった人物です。
俊寛の面を顔に当て、その向こうで恐ろしい笑みを浮かべながら、満足げに何度もうなずく姿が不気味でした。
この場面が意味するところは、政敵・松平定信(井上祐貴)の追放。油断した定信を策に嵌め、老中の座から失意のどん底へと引きずり落とす象徴として、俊寛の面を選んだのです。
果たして一度は定信を失脚せしめるものの、本当の意味で「島流し」にされたのは、我が子・家斉に見限られた治済自身でした。
毒で眠らされたまま長櫃に放り込まれて施錠までされ、阿波国へと流されてしまったのです。
2ページ目 一橋治済と斎藤十郎兵衛をつなぐ「能面」
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