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“豚丼”は代替メニューなんかじゃない!北海道(十勝・帯広)の郷土料理としての素顔とその歴史に迫る

“豚丼”は代替メニューなんかじゃない!北海道(十勝・帯広)の郷土料理としての素顔とその歴史に迫る

十勝・帯広の郷土料理

北海道という広大な大地を語る際、十勝・帯広という地域は独自の食文化を形成している重要な拠点として挙げられます。

その象徴とも言えるのがこの地域を代表する郷土料理・豚丼ですが、この料理が辿ってきた歴史的背景については、意外なほど知られていません。

豚丼は単なる観光客向けのご当地グルメという枠を超え、地元家庭の食卓に深く根を下ろし、年間を通じて老若男女に親しまれる日常食としても機能しています。

もちろん、専門店や多くの飲食店でも提供されています。

調理法の基本は極めてシンプル。厚めにスライスした豚のロース肉やバラ肉を焼き上げ、醤油と砂糖をベースにした甘辛いタレを絡める。これをご飯の上に豪快に盛り付け、店舗や家庭によっては白髪ねぎやグリンピースを添えることも。

特に専門店においては炭火焼きを採用することが多く、メイラード反応による香ばしさと脂の甘みが、この料理の最大の魅力と言えるでしょう。

しかし、なぜ酪農王国・北海道において「豚」だったのか。その歴史的必然性を理解するためには、十勝地方における豚肉食の定着過程、さらに言えば開拓の歴史そのものへと遡る必要があります。

2ページ目 豚とひとつ鍋

 

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