『べらぼう』“見たい…” ていの腐女子な本音に心揺らいだ歌麿を考察——プロジェクト写楽、始動【後編】:2ページ目
歌麿が描いた「変顔の女性」が写楽の画風のアイデアに
無事、軍資金を手に入れチーム蔦重はあれこれと頭を捻ります。耕書堂の一室に集まった絵師たちは「源内が描いた」と思わせる絵を描くのですが、これが難しい。何度も蔦重に「やり直し!」とリテイクをだされ疲弊していきます。
ついに、いつもニコニコ感情が安定して大人な北尾重政(橋本淳)が、はじめてブチギレてしまいました。重政先生は「自分がダメ出しされた」より周りの絵師が疲れて悩んでいることに怒ったのでしょう。
「やってられっか!こっちは知恵絞ってんだ。これじゃねえあれじゃねえならガキでも言えるわ、べらぼうめ」「さすがに付き合いきれねえ」と席を立ってしまいました。
温厚な重政先生を怒らせて悩む蔦重。自分の頭に浮かぶ絵とは?と考え、絵師たちのために、目、鼻、口などのパーツを指定する指示書を作り始めます。
ていに「どんなイメージで?」と聞かれ、蔦重の頭に浮かんだのは、歌麿が美人大首絵『婦人相学十躰』を描いた際の「変顔」をした女性たちの下絵です。蔦重は「ここまで真に迫っている感じではなくて、あくまでの女絵として綺麗に描いて欲しい」と指示を出してましたよね。
あの変顔の女絵をみて、「あれ?写楽っぽい」と思った人もいるでしょう。「あんなふうに役者の顔がかければおもしろいんじゃねえかと」という蔦重。ドラマでは、ここに繋げる伏線として歌麿に変顔を描かせたのですね。
