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『べらぼう』胸熱な「そうきたか!」源内生存説で笑顔が戻った蔦重夫婦に対し、闇堕ちの歌麿…【前編】

『べらぼう』胸熱な「そうきたか!」源内生存説で笑顔が戻った蔦重夫婦に対し、闇堕ちの歌麿…【前編】:2ページ目

蔦重夫婦に“希望”をくれた『空飛ぶ源内』

ていが元気を取り戻すとともに、蔦重の顔にも生気が戻ってきます。さらに、この夫婦の “生きる”気力を取り戻したのが平賀源内生存説

耕書堂を訪ねてきた駿府生まれの貞一(十返舎一九/井上芳雄)が、源内が作ったという『相良凧』(田沼意次城下町の相良独特の凧)を持ってきたことがきっかけでした。

蔦重は、次々に、杉田玄白(山中 聡)、太田南畝(桐谷健太)、北尾重政(橋本 淳)らと会い、源内生存の可能性を追います。表情もイキイキしてきましたね。

秋田に戻った朋誠堂喜三二(尾身としのり)には手紙を書き、その返事が来ました。蔦重が読み上げていると思いきや、部屋に入ってきた喜三二が自分で読んでいて、蔦重が「何でてめえで返事持ってくんですか?」には、笑わされました。

ひさびさに、「べらぼう」らしい“笑い”が戻ってきた場面でしたね。

蔦重夫婦が、鳥山石燕(片岡鶴太郎)の遺作となった雷獣の頭に、源内のトレードマークだった細い髷が描き込んであったことを話合いながら、「絵師になっているかも」と、謎解きに夢中になっていくのも嬉しい展開だったと思います。

蔦重が平賀源内生存説に希望を見出し、探ろうと動き始めるといろいろな仲間が助けようとしてくれました。

手代で居候の滝沢瑣吉(のちの曲亭馬琴/津田健次郎)も、店の暗いムードを変えようと彼なりに頑張ります。ちょっと見当違いなのですが、あの明るさや強引さは、暗くなった耕書堂にとっては救いだったかもしれません。

そして、手代のみの吉(中川 翼)は、「歌麿がいない今、自分も頑張らねば」と本のアイデアをいろいろ出して、蔦重に差し出します。耕書堂を守り支える意識が着実に育っているみのきち。これも、蔦重が大切にしてきた源内の教え「書をもって耕す」の成果。蔦重本人だけではなく、みのきちにもこの教えは引き継がれていたのでした。

ここ数回、視聴者からは「鈍感!」と非難された蔦重。けれど、彼の才能や仕事の軌跡を正当に評価し手助けする仲間はちゃんといます。

そんな蔦重に、ていは歌麿が「恋を描いた」美人画の下絵を仕上げて売ることを提案。歌麿がどんな色や柄を好み、どういう仕上げにしたいか「旦那さまが誰よりもわかっている」と。躊躇する蔦重に、仕上がりを見てやはり蔦重と組みたいと戻ってくるかもと提案します。「何もしないで戻ってくるとでも?」と。

3ページ目 闇堕ちして独りになっていく歌麿

 

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