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『べらぼう』神対応と称賛の声!男色か?の問いに「好きな人とそれ以外」心に沁みる歌麿の答え【前編】

『べらぼう』神対応と称賛の声!男色か?の問いに「好きな人とそれ以外」心に沁みる歌麿の答え【前編】

俺はそもそも男か女かで人を分けたりしねえんだよ。
「好きな人」と「それ以外」で分けてるもんでさ。

大河「べらぼう」第41話『歌麿美人大首絵』

『べらぼう』蔦重の実両親は?須原屋市兵衛その後、歌麿の胸中…10月26日放送内容の深堀り解説

須原屋市兵衛(里見浩太朗)の身上半減処分を受けて、江戸の街を再び華やかにしようと意気込む蔦重(横浜流星)。書を以て世を耕す精神は、身上半減なんかで潰えはしない……苦境にあって、ますます闘志を燃やすので…

歌麿(染谷将太)がデリカシーのない滝沢瑣吉(滝沢馬琴/津田健次郎)に、突然「お主は男色ではないのか?もしくは両刀。」と尋ねられた時のセリフです。

もともと押しが強く失礼キャラの瑣吉ですが、これは完全に“アウティング”(性的指向や性自認を、本人の了解を得ることなく勝手に暴露する行為)なNG行為。

けれど、そんな失礼な質問がはるか彼方に飛んでいくような歌麿の答えが、実に機知に富んだスマートなもので、SNSでも「神対応」と称賛の声があがりました。

男か女か性別で分けるのではなく、「好きな人」か「それ以外」で分ける……「瑣吉さんもそうじゃないのかい?」と逆に問われて、一言も返せませんでしたね。

歌麿のこのセリフ、大きな存在感をみせた蔦重の母・つよ(高岡早紀)と“”二人の息子”が口に出した「おっかさん」のセリフ、長年蔦重を見守ってきた須原屋市兵衛(里見浩太朗)が「本屋たるもの」のバトンを渡すときのセリフ……。

胸に残る珠玉のセリフがきらめく第41話を振り返ってみました。

「正しい世の中のためにいい事を知らせてやる」のが本屋の務め

大河「べらぼう」も残すところあと数話。

主人公が戦国武将ではなく、江戸の町人で本屋の蔦屋重三郎(横浜流星)という新しさ、演者さんの演技力、天国から地獄へと突き落とす森下佳子さんの鬼脚本、現代の令和に相通じるタイムリーな展開など、いろいろと話題になりました。

そして、毎回、視聴者の心に残る名セリフがあるのも、このドラマの特徴です。

今回は、まず冒頭での須原屋市兵衛と蔦重の会話が印象的でした。

引退を決めた市兵衛は「田沼時代のような、再び華やいだ江戸を見たい」と、蔦重に伝えました。

「知らねぇっていうことはな 怖ぇことなんだよ。物事知らねぇとな 知ってるやつにいいようにされちまうんだ。本屋っていうのはな 正しい世の中のためにいい事を知らせてやるっていう務めがあるんだよ。平賀源内風に言えばな”書を以って世を耕す”。これなんだよ」

まさに、この市兵衛の名セリフは、今の現代に生きる人々すべてに通じる言葉でした。

「知る」ことは「識る」こと。表面的に得た情報を「知る」だけではなく、その情報を確認して理解しより深く自分の知識として「識る」。皆が間違った情報やデマなどに踊らされないよう、「いい事」を本にして世の中に広めることが本屋の力。

長い間、本屋としての矜持を持ち蔦重を導いて来た、須原屋さんらしい心に響く言葉でした。

2ページ目 世の中は「好きな人」か「それ以外」……というシンプルさ

 

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