『べらぼう』神対応と称賛の声!男色か?の問いに「好きな人とそれ以外」心に沁みる歌麿の答え【前編】:2ページ目
世の中は「好きな人」か「それ以外」……というシンプルさ
蔦重が考案、歌麿が描いた『婦人相学十躰』と、江戸で流行っている「人相見」を組み合わせた商売が大当たり。耕書堂には、人相見をしてもらうついでに絵を購入する客で賑わいます。
そんな店の状態を見て「歌麿先生がいらしているので絵を購入したお客さんはサインをもらえる」と、店に来た歌麿をアピールする蔦重。相変わらず商売上手ですが、歌麿もイキイキとする蔦重を見て嬉しそう。
昔のように仲のいい二人に戻った様子でした。ところが、そんな様子に目をつけたのが手代として働く瑣吉。客のいる店先で、しかも蔦重の前で歌麿に近寄り、しげしげと顔を見ながら、突然「お主は男色ではないのか?もしくは両刀。」と言います。以前もつよに「(歌麿が)男色ではないか」と話していたので、観察していた様子でした。
そばにいたつよ(高岡早紀)が「無礼だよ! 親しくもないのにいきなり」と怒って思い切りほうきで頭を引っ叩きます。そんな失礼な瑣吉の言い草に、
俺、両刀だよ。瑣吉さん。
俺はそもそも男か女かで人を分けたりしねえんだよ。
俺は「好きな人」と「それ以外」で分けてるもんでさ。
その「好きな人」は男のこともありゃ女のこともある。
まあ世間様のものさしに当てりゃあ両刀ってことになる。
実は瑣吉さんもそうってことはないかい?
落ち着いた表情で答えた歌麿。
慌てて否定もせず照れもせず怒りもせず、少し表情を曇らせたものの、冷静で瑣吉を諭すようなこのセリフは、SNSでも称賛の声が多数見かけられました。
「好きな人」と「それ以外」…実にシンプル。その「好きな人」は男のこともありゃ女のこともあるという返しが、まっすぐに届いたのか、瑣吉は黙り込んでしまいました。

