日本が世界に誇る和食の特徴のひとつ「うま味」を科学で証明した日本人・池田菊苗とは?:2ページ目
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ロンドンでは夏目漱石との交流も
1896年(明治29年)、池田は東京帝国大学理科大学化学科の助教授となりました。1899年には研究のためドイツ・ライプツィヒ大学オストワルド研究室に1年半留学します。オストワルド氏は後にノーベル化学賞を受賞する人物です。
ドイツでは食べたトマト、アスパラガス、肉、チーズを初めてたべ、これらの食材には、4つの基本味(甘味、塩味、酸味、苦味)とは異なる味があることに気づきました。これが、彼のうま味の発見へつながっていくのです。
1901年(明治34年)にはロンドンへ留学します。そこで、夏目漱石と下宿先が同じだったこともあり、交流が始まりました。
うま味の発見
ロンドンから帰国後、東京帝国大学教授に昇進します。研究に励んでいた1907年(明治40年)のある日、妻がこんぶを持ち帰ってきました。昆布だしを味わいながら、4つの基本味以外の味があることを確信します。
そして、うま味の抽出実験をはじめ、結果としてこんぶのうま味成分がグルタミン酸であることを発見します。
なお、当時池田は「具留多味酸」と表記しています。
その後、1909年(明治42年)、うまみ調味料である「味の素」が鈴木製薬所(現味の素株式会社)から発売されました。
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