【べらぼう】奇抜すぎて絶版処分!山東京伝の浦島太郎スピンオフ作品『箱入娘面屋人魚』の内容とは?:3ページ目
すべて解決!?玉手箱
一財産を築いた二人ですが、ここで困ったことが起こりました。
平次が無料をいいことに、魚子の身体を四六時中舐め続けていたせいで、赤ん坊にまで若返ってしまったのです。
「ほんぎゃあ、お乳が飲みたいよう」
そこへ現れたのが浦島太郎と遊女の鯉。取り出したる玉手箱の煙を平次に浴びせると、ちょうどよい感じの大人に戻ります。
ついでに美男子になっていると言うオマケつき。どういう理屈なんでしょうね。
また魚子についても首から下の魚体がツルリと剥けて人間の身体に。やはり理屈は分かりません。
人魚の脱殻を売って大儲けした二人は、いつまでも幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。
奇抜過ぎて絶版処分に?
……以上が『箱入娘面屋人魚』の(かなり)ざっくりストーリーです。
もうドコからツッコミを入れたらいいのか分かりませんが、奇抜過ぎて絶版処分を食らったのも分からなくもありませんね。
ちなみに物語の舞台である中洲新地は江戸の私娼窟であり、火事で焼け出された吉原遊郭の妓楼が仮宅営業していました。
それを風紀粛正のためか、松平定信が潰してしまい、蔦重らはそれに反発したようです。
しかし蔦重らに科せられた処分は厳しく、蔦重は身上半減(全財産の50%没収)の重過料、京伝は手鎖(※てじょう)50日の刑に処せられました。
※手錠をはめて過ごす刑。当時は「てぐさり」でなく「てじょう」と読んだそうです。
終わりに
「奇抜なエロ話を書いた&出版しただけで、厳し過ぎない?」とも思いますが、これまでの積み重ね(※)も考慮されたのでしょう。
(※)他にも蔦重たちは洒落本『仕懸文庫』『青楼昼之世界錦之裏』『娼妓絹籭』などを出版。これらについても、改めて紹介したいです。
これ以降、蔦重の出版活動は方針転換し、戯作や黄表紙などからお堅い書物問屋としての事業を展開していきました。
果たしてNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」では、本作がどのように描かれるのか、楽しみにしています!
※参考文献:
- 棚橋正博 編『江戸戯作草紙』小学館、2000年5月

