【べらぼう】蔦重が世に送り出した東洲斎写楽のライバル・歌川豊国とは?気になる勝負の結果は…:2ページ目
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写楽と豊国、勝負の結果は……?
浮世絵界に大きな影響を与えた写楽と豊国。勝負の軍配は、豊国に上がったと言えるでしょう。
役者などのモデルを理想化し、洗練されたスタイルで描き上げた豊国。対する写楽は、良くも悪くもリアリティ重視&個性を強調するスタイルだったのです。
……顔のすまひのくせをよく書いたれど、その艶色を破るにいたりて役者にいまれける……
※筆者不詳『江戸風俗惣まくり』より
【意訳】写楽は顔立ちの特徴をよくとらえていた。しかしそのために見栄えがせず、役者たちから忌み嫌われてしまった。
……これは歌舞妓役者の似顔をうつせしが、あまり真を画かんとてあらぬさまにかきなさせし故、長く世に行はれず一両年に而止ム……
※大田南畝『浮世絵類考』より
【意訳】写楽は歌舞伎役者の似顔絵が巧みであったが、あまりにもリアル過ぎて役者のイメージを損ない、デビューから翌年には引退してしまった。
……お客にしてみれば、贔屓の役者をカッコよく描いてくれなければ、買いたくないのは当然です。
写楽の役者絵は強烈なインパクトを与えつつも人気が出ず、デビューから約10ヶ月(※)で姿を消してしまいました。
(※)寛政6年(1894年)5月〜寛政7年(1895年)1月まで。寛政6年は閏11月があります。
被写体を過剰に理想化せず、ありのままの個性を追求する写楽の画風に、まだ時代が追いついていなかったのかも知れませんね。
終わりに
今回は写楽のライバルとして活躍した歌川豊国について紹介しました。
果たしてNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」では、どのような闘いが演じられるのでしょうか。
今後続々と巨匠たちが登場するようなので、楽しみにしています!
※参考文献:
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